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外で花見ができないなら、noteでお花見すればいいじゃない #noteエアお花見

人間界に不穏な空気が流れていても、そんなことはおかまいなしに季節は巡る。
今年も桜の季節がきた。

いたるところに咲き誇る桜のピンク色は、私の心を浮足ださせる。

でも、このご時世、桜の木の下で、どんちゃん騒ぎをするなんてことは、自分の体、周りの人の命に関わることにもなりかねない。

仕事の昼休み、明日の朝食のホットサンド用の食パンを買いに、外へ出た。
4月に入ってからというもの、すっかり冬に戻ったみたいに肌寒い。
風が強くて、冷たい。今の人々の気持ちのような鉛色。
体を縮こませながら、数百メートル先のパン屋へ行く道すがら、ふと見上げると、たわわに花をつけた桜の木が目に飛び込んできた。

ふらふらと足が桜の木のほうに吸い寄せられる。

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大きな桜の木が、誰もいない公園にひっそりと立っていた。
静かに、静かに。
びゅうと風が吹くと、ざわっと音をたてて気が揺れる音だけがあたりに響く。
どの枝にも桜の花がついていて、花の重さで枝がしなりそう。

スマホを取り出して、シャッターを切った。
立派な桜を独り占め。

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シャッターを切って、桜を眺めている間、誰も来なかった。
多分、いつもの年なら、もっとたくさんの人に愛でてもらえるはずだろう桜の木。来年こそは、もっとたくさんの人に見てもらえますように。
だから今年は、数百年に1度かもしれない、静かな春を満喫して。
そんなことを思いながら、パン屋に向かった。

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桜の季節がくると、突然世の中がピンク色に染まります。
徳島市内の真ん中に、眉山という山があります。標高はそれほど高くありません。

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(川から見た眉山です)

毎日、通勤途中に眺めています。
冬から、春になるにつれ、眉山の山肌が茶色から緑に変わります。そして、ある日突然、桜が一気に咲いて、ピンクと緑のパッチワークのようになるんです。それが、あまりに美しくて、毎年の楽しみです。

眉山がカラフルな自然のパッチワークになった頃、ふと周りを見渡すと、そこかしこの桜の木も満開になっています。
ここにも、ああここにも桜の木があったんだと、そのとき初めて気づくのです。
自宅の周辺にも、職場の周りにも、桜の木が植えられているものなんだなあと、春になるたび驚きます。
その桜の木たちは、ひっそりと、誰に知られることもなく、ただピンク色の花びらをたわわにつけて咲き誇っています。

花見の名所に行かなくても、ほんのすこし外を散歩すれば、桜の木に出会うことができるものです。

花見はおろか、外出もままならない今日この頃。
せめて、おうちの近所で、誰に知られることなく咲いている桜を見つけてみるのも、いいかもしれません。

明日は、近所にある無人の神社にお花見に行こうと思います。

過去の桜の写真とnoteも、置いておきます。


去年(2019年)

一昨年(2018年)

番外編

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早速、ふむふむさんから、桜のお便りをいただきました。

ひな姉さんのnoteも桜満開。

マガジンにしました。
いろんな桜を集めさせていただいています。


サポートいただけると、明日への励みなります。