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モーニングを食べに行ったら、ちゃんとすることの大事さを思い出した話

久しぶりに近所の喫茶店にモーニングを食べに行った。
ほぼ満席だった。とはいえ、大方が、年配の男性一人または夫婦二人の組み合わせ。密にならないところが地方のいいところ。

バターたっぷりのふわふわトースト、キャベツのサラダ、ゆで卵とお店のブレンドコーヒー。天井のガラス窓から、朝の光がさんさんと降り注ぐ。

写真 2020-09-27 9 13 59


いつ来ても居心地のいいお店。
幹線道路沿いには、ほかにも数軒モーニングを出すお店があるのに、いつも満席なのはここだけ。不思議。

飲み物プラス50円という安さも、ももちろん理由なんだろうけど、何より、30年たってもお店がずっと綺麗。
多少のハード面の古さは感じるけれど、いつ来ても玄関の緑は青々としていて綺麗に手入れされているし、テーブルや椅子も清潔で、がたついたり、ほころびたりしていない。額縁の絵は、ちょこちょこと変わっているし、雑誌も常に最新で、破けたりしていない。
女性の店主はいつもにこやかで、声を荒げていたり、疲れた表情を見たことがない。バイトの子は、若いから割とよく変わるけど、どの子もまじめで丁寧。でも、マニュアル的な感じがしない。
そういう小さなところが本当にちゃんとしている。

できれば、心地よく暮らしたい。
仕事で嫌なことがあっても、帰ってきたらほっとできる空間を作りたい。
でも、ついつい、疲れたことを言い訳に、小さいことに目をつぶって、堕落した生活をしてしまう。例えば、部屋の隅がホコリで白くなっているとか、ソファに洗濯物が積まれているとか、キッチンに洗ったままの鍋やボウルや、しまい忘れた調味料が置きっぱなしになっているとか、玄関の床のタイルが汚れているとか。
ほんの5分頑張れば、リセットできることを、やらずに放置する。見るたびに自分の感情をむしばんでいく。1日、また1日と過ぎるうちに、そういう小さなほころびが、少しずつ少しずつ積もっていって、ついに爆発する。
家族に当たったり、誰かに言わなくていいグチを言ったり。人が妬ましくなったり、自分が嫌いになったり。全部、自分のせいなのに。

居心地のいい空間とは、そういう小さなほころびを、小さなうちに修復し続けることでできるのかもしれない。
30年変わらず愛され続けるお店は、そういう小さなほころびを、お客さんが気づいていないうちに修繕し、見せないようにしているのかもしれない。

帰ったら、先週できなかった分と今週の分の掃除をしよう。そういえば、いい掃除道具を買ったんだった。
アイロンがけをして、大好きな彼のDVDを観よう。
買い出しに行って、自分と家族の好きな食べ物をたくさん買って、空っぽの冷蔵庫をいっぱいにしよう。
気になりつつ面倒くさくて放っておいた税金の支払いと通販の支払いも、明日はちゃんとやろう。

ごちそうさまでした。
会計をしにレジに立つ。
「今日はサービスデーで200円引きです」
ふふ、なんていい日なんだろう。


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