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アーサー・ブライス

80年代から90年代にかけて何度かライブを聞くことができた、ジャズのアルトサックス奏者。非常に個性的な音ながら、王道を行く高い音楽性と、しなやかなゴムのような艶のある音を聴かせてくれた。初めて聴いた時、背筋がぞくぞくするような気持ちの悪さがあった。

アーサー・ブライスは、アメリカのジャズアルトサックス奏者および作曲家でした。彼は評論家のクリス・ケルシーによって「速くて広いビブラートとアグレッシブで正確なフレージングのある、ジャズの大きくて丸い、最も簡単に認識できるアルトサックスサウンドの1つ」を表示し、さらに前衛と伝統主義にまたがっていると説明されました。 
生年月日: 1940年7月5日 出生地: アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス 死亡日: 2017年3月27日, アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ランカスター 音楽グループ: THE LEADERS、 ワールド・サキソフォン・カルテット Wikipedia 英語から自動翻訳 

「速くて広いビブラート」か。なんとなくわかるようなわからないような、変な訳。科学的にどういう風にサックスの音が奏でられているのか知らないが、口から吹き込まれた息が、竹のリードを震わして発生した音が金属でできた楽器のなかを通って外へと聞こえているだけのはずなのが、奏者の体格によって音がぜんぜん違う。体の中に、腹から喉にかけて体内に太い息の柱が立っていてそれが共鳴して音をだしているような、そんな感じがする(そんなもんは物理的に存在しえないが。せいぜい、喉を大きく開けているとか)。体も含めて楽器という感じ。

学生時代に日本のヤマハホールだったかで観たアーサー・ブライスは太鼓腹のどっしりした体格だった。彼は当時40代か。その後90年代にライブハウスでみたときも、恰幅の良さは変わらず。そうか、この太鼓腹からあの艶めかしい音がでてるんだなと納得。

このリンク↓が90年頃の演奏。幸運にも、90年代の彼の演奏は生で聞いていた。楽器がビロードでできているような艷やかさ。否、ビロードじゃこの音はでないな。楽器でなくて、太鼓腹が共振動を起こしてうねりを増幅させているような音。それが脳というか脊髄あたりにじわっと撫でるように染み込んでくる。こう書くと、げてもの音楽のようだが、ちょっと聴いてみてください。美しいといってもいい深いビブラートの音で、正当で高い音楽性のある演奏。

Arthur Blythe Faceless Woman 1988

80年代に聞いて驚きだったのは、来日したとき、たしかベースの代わりにチューバの低音、そしてなんの代わりかわからなかったがチェロがはいったクインテットだった。それで、ナイル川の流れだったか、悠久の歴史の壮大なスケールの曲をぶきみに演奏していた。ヘンだったなあ。でもきらいでないヘンさ。独特の世界だった。

いくつか彼の演奏のリンクを以下。

いまでも、ジョギング/散歩用のプレイリストにアーサーのアルバムが入っていて愛聴しているが、なかなか不気味だなという世界観の印象は変わらない。決してきらいじゃないんです、その世界。■

Arthur Blythe - Lower Nile 1977

Arthur Blythe - Jana's Delight 1993

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