木枯らし

冒頭写真はNoteのライブラリーから「木枯らし」で出てきたのを拝借。今日は木枯らしで寒かった。空は抜けるように青かったけれど。

さすがに2年近くずっと熱帯に籠もって、毛穴を全開させながらも外気の熱を体に積み上げてきていた体には、日本の冬は寒い。今回の異常事態の2年の前は、毎月、飛行機に乗ってどこかに仕事で出張して身体をある程度低温に晒していた。

結構雑用で人と会ったり多忙だったが、なんだか体が芯から冷えてバッテリー切れみたいになったので、金曜夜から週末は活動をキャンセルして、屋内でぬくぬくしていた。宿には、温泉ではないが、地下水を組み上げて炊いて、大浴場で温泉っぽくしていたのがあったので浸かってたら、ようやく体の充電ができた。やはり、人間の体、熱が大事。今は体の中から暖かい。

音声のSNSで知り合った英語とスペイン語と日本語をあやつる外国人が、「木漏れ日」って英語だと説明的になって名詞で訳せ無いとか言っていたが、「木枯らし」も、木を枯らしてしまう冬の寒い風ということでぴたっとくる英語の単語はないのかなあ。

なにか寒い風にはいろいろ言葉はありそうだけれど。

やはり、日本人なら、木枯らしふいたら、落ち葉たいて焚き火だよな。

こがらしこがらし 寒い道 焚き火だ焚き火だ 落ち葉たき♪



籠もって、Netflixもたいして関心を引くのがなかったので、音声SNSをやっていたら、「声見知り」と話せた。

たぶん僕の娘くらいの年だといってもおかしくない、あるSNS部屋で知り合った声だけの若いお知り合いだが、せっかくなのでいろいろ意味を理解してなかった用語を聞いて教わった。

今日得た知識:

「地雷系」と「量産系」
量産系が万人受けするメイクとかファッションとすると、地雷系は特定の対象にむけてのそれで、本人の個性の投影でもあると。

「抜け感」
決めすぎないで、ちょっと1箇所くらいはずすと、こてこて、ケバケバ感が抜けていいという。ちょっと大人のファッション。

正直あまり関係も関心もなかった、女性のファッションの最近の?表現だが、昨年からNoteでフィクションを書くようになってから、やはり、こういうディテールの表現って大事だな、使えたら効果的だなと思う。「今日の陽子はディオールの黒のスーツ姿だったが、水色のパンプスで抜け感をだしていた」。。。ちょっと違うか(汗)。黒に水色はないよな。

ぐぐったら、「抜け感」は英語で、effortless とでてきた。むむむ、ちょっと違うような。あまり一生懸命すぎて effort 一杯でこてこてになるのを、ちょっとはずして避けているということか。まだ謎。


その知り合いが、Sefridges というイギリスの百貨店のサイトの不具合でBlack Mondayセールを逃したとぼやいていたので、あれ?そういえばと思い出したのが、10年以上前のロンドン滞在。

当時、まだポンドが200円台だったかで、ロンドンの物価はすべて高く、散々な目にあったという僕のネタ話で、サンドイッチ屋で買ったランチのハムサンドが1500円とかしたが、干からびたパンにプラスチックのようなハムもどきとしなったレタスだったこととか、このセフリッジという名前のホテルに泊まったら、驚くほどの狭さなのに2万円だか3万円したという話をした。

百貨店の名前がついたホテルで、ロケーションも抜群で、実際に百貨店と同じだったか隣だったかにあったので、これは三越とか高島屋がホテルやっているようなものかと期待と共にチェックインしたら、なかなか格式あるロビーに部屋だったが、スーツケースを広げられない狭さに、たしかシャワーしかなかったバスルームもえらく狭かった。まあ、日本も他国のことをあんまりいえませんが、あの狭さはなんだったんだろう。

30年くらい前の昔、ブラジル出張で、当時平社員の僕が上司の部長のかばん持ちでブラジル主要都市を回ったことがあったが、その時のサンパウロの宿を思い出した。

アレンジした駐在員の先輩から、サンパウロは政府要人が泊まるようなホテルでそこの支配人とゴルフ友達になったこともあり、そのスイートがとれた、そこはすごくいいはずだと事前に聞いていた。

夜遅くチェックインとなり、僕の部屋に行くと、とても狭い。驚くほど狭い。

シングルベットと、それと同じ幅くらいの部屋と、小さな机に、TVが天井に近い壁に据え付けてある。警備員の仮眠所のような部屋。なんだか変だなとは思ったが寝るだけだったので熟睡して朝のビュッフェにいくと上司と駐在員と会う。

上司は「いやー、昨晩はよかった、こんな豪華な凄い部屋泊まったのは初めてだ」とか言っている。

駐在員に僕の部屋のことを話すと、一瞬、彼は驚いた顔をして、そして大笑いする。

「ああ、そうか!道理で安いと思った。スイートルームの隣のシングルをお願いしたらえらく安かったんだよね。お前だからまあいいやと思ってそこにしたんだけど、あれ、今思うと、要人お付き人のボディガードの部屋だ(笑)」

「おいおい、おれはケビン・コスナーか?」なんてツッコミはいれなかったが、怒るというより、笑ってしまった。それくらい狭かった。

その狭さを思い出した、それがそのロンドンの老舗ホテルの部屋。そんな話をした。

若い声の知り合いは、聞いてくれて、フフフと笑ってくれた。

彼女は20代、脳脊髄液の難病で横になっていることが多いらしいが、喋っているときはそんなことはいっさい感じさせない、明るい声。おじさんの話にも辛抱づよく付き合ってくれる。駄洒落にも反応してくれる。ネットを通じて、声を通じて、毎日、世界とつながっている。

こんな風に人がつながっている時代。悪くない。嫌われぬよう、駄洒落は自制していきますが。■


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