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内弁慶、外弁慶

ある時、妻の実家で飼っている犬を散歩させました。

その犬が、年寄りだからなのか?なまけ者なのか?散歩に行っても全然歩かない。少し歩いても、30mも進めば家に帰ろうとする。一歩も動かなくなる。抱っこされて帰ってくるくらいだ、と聞かされていました。

ところが、散歩させてもらったらびっくりするくらいちゃんと散歩するのです。時には走ったりするほどで、ゼーゼー息を切らしながら頑張っていました。犬の散歩に技術が必要なのかは分かりませんが、僕自身は初めての犬の散歩をしました。技術は0です。犬にとって僕は家族でなく、たまに来るお客さんです。いいところを見せようと頑張ったのかもしれません。犬でもそうなるのだなと感心しました。

人間も、自分の家ではワガママでだらしないのに、外に出るときちんとして頑張る人がいます。それは悪いことではなく、自然なことです。犬でもやることですから。家の中に安心感があり、自分を出せる環境になっている証でもあります。

注意が必要なのは、これが反対になっている場合です。外ではワガママを出して、家では自分を出せずに我慢している人。例えば会社ではいばり散らしているけど、家に帰ると奥さんに何も言えない人や、学校では意地悪をし、暴力を振るうけれど、家では親の言うことを素直に聞く子供などです。内弁慶の反対。言わば外弁慶といった状態です。それは不自然だし、家の中で安心感が持てないのかもしれません。そう考えると、辛いこと状態でもあります。

子供の場合は特に、家の中で安心感が持てないのは問題です。家でもう少し自分を出せるような環境を作る必要があります。しかし、ここでこの問題の難しさがあります。家族からはこの状態が見つけにくいのです。本人は、家の中で問題を起こさず、外で起こした問題は隠そうとします。誰かがそれを親に伝えても、普段の子供との間にギャップが大きく、にわかには信じられません。相手が嘘をついていると思うこともしばしばです。結果として、外弁慶になっている子供はケアされないままに時間が経過してしまいます。

もし、子供が内弁慶の場合、家が安心できる場になっている証なので、ひとまず安心してください。

子供が外弁慶の場合、家が安心できる場になっていない可能性があります。その視点を持って、もう一度子供の様子を注意深く見てみてください。そして、ワガママが出せるような環境になるように工夫してみるのがオススメです。

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