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子どもに問題が生じたときの心の持ち方②

以前にも同様のテーマで書きましたが(以前の記事)、今回はまた違う角度から、親としての心の持ち方を書いてみます。

自分の子供に問題が生じたとき、それをポジティブに受け取れる人はごくわずかです。多くの人はがっかりし、自分の子育てが間違っていたのかと悩みます。周囲からも『子どもの問題=親の育て方の問題』といった図式で見られがちです。そのため、問題が継続すると、自分が責められているように感じる人も少なくありません。こうなると、子育てに対してすっかり自信を失います。

原因の特定は困難

私たちは、問題が生じると原因を探すようにできています。原因を特定し、それを改善することで問題解決を図ろうとするのです。しかし、親が悩む問題(不登校、引きこもり、家庭内暴力、反抗、窃盗、虚言など)の多くは、一つの要因によるものではなく、様々な要因が影響しあって生じます。下の図のような構造です。

問題と原因

親の関わりは要因の一つかもしれませんが、要因の一つに過ぎません。もちろん、親がこれまでの関わりを振り返るのは大事なことですが、そこに罪悪感を持ちすぎることで生じる悪影響もあります。

親が罪悪感を持つことの弊害

以前、早産で小さく生まれた子どもを対象に、発達検査をしていたことがあります。3歳頃にクイズやパズルをするのですが、中には自分の回答に自信が持てず、トライせずに黙りこんでしまう子がいます。そういう子のお母さんに話を聞くと、早く産んだことに対して罪悪感を持っていることがしばしばです。もちろん、そこに科学的根拠はありません。しかし、母親は罪悪感を持ってしまい、そのために早く追いつかせようとレベルが高いことをやらせ続けることがあるのです。子どもからすると、難しくてできない経験を何度も積んでしまい、自信を失い、トライできなくなってしまうのです。

親が罪悪感を持ちすぎてしまう弊害は、こういう形で現れます。子どもへの関わりに力が入りすぎたり、反対に、無理をして妥協しすぎたり。どこかちぐはぐな対応になってしまうのです。

ですから、子どもに問題が生じたときは、あまり自分を責めないようにしてください。これまでの子育てを振り返り、反省するときは、同時に自分が親としてできていることも考えてみてはいかがでしょう。どんな親でも、必ずできていること、やれていることがあるものです。もう一度子育てへの自信を取り戻すことで、より良い関わりができるようになります。

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