手がぼろぼろすぎて仕事を放棄させてもらった話
平成最後の年の3月。仕事が忙しくてパソコンの長時間作業および寝不足のためか、手がいつも以上に荒れていた。10本の指すべてがぬかりなくただれて、ぶつぶつにあかぎれに水泡に・・・、私の手を土台にあらゆる疾患を集めた盆栽ができあがっていた。指を閉じると、皮膚の間が湿っぽい。擦れあうだけでかゆい。熱い。痛い。もう嫌だ。気持ちも沈んでしまう。
仕事に出かけようにも、気が向かない。だって今からやることすべてに「手」を使う必要がある。布団を手で押しのけて、トイレを済ませたあとに手を洗って、ついでに顔を洗って、手でメイクをして、手で服を着替えないといけない。そのすべてが嫌で、頭の中で一通りシミュレーションしただけで現実から逃げたくなった。何をするにも手が必要。一つこなすたびに、手がボロボロになっていくような気がした。もう嫌、もう一度眠ってしまえば、これが夢だったと気づくかもしれない。
再び目を覚ました時にはすっかり昼になっていた。仕事に出かける時間も過ぎたから、せめてこのまま家で作業しよう。って、作業するにも手が必要なんだった。改めて自分の手を見てみると、やっぱり「死の盆栽」のままだった。
その日は仕事の締め切りが迫っていた。やることは目に見えている。頭の中にイメージも浮かんでいる。この作業をするためにした準備も進めてきた。でも、いざパソコンを目の前にするとやる気が出ない。だって「手」を使うものだから。あーーーー無理!
この地獄から抜け出したくて、仕事を放棄することに決めた。代わりにスマホを手にした。ボロボロの手で、なんとか打ち込んだ検索ワードは、
「渋谷 皮膚科」
すると、近くにある皮膚科の情報が上がってきた。今日の診察時間を調べて・・・空いている。この状況を脱却するには、手を生き返らせるしかない。どんな手を使ってでも。
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