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バージョン8.0アップデートで我々プレイヤーは成長を試されている


みなさんこんにちは。先日2020年6月30日に配信されたアップデート8.0で新ファイターのミェンミェン配信とキャラ調整を中心としたアップデートが行われました。
今回のテーマは、このアップデート8.0で起きたキャラ強化と新キャラクターを通じて、もっと上手くなりたいプレイヤーに対するスマブラ開発チームから用意された試練のようなものを感じたので、今の私なりの目線から感じたものをいくつか紹介したいと思います。


上達を望む人にスマブラ開発チームがくれた贈り物




今回のアップデートでの本来の目玉であるにも関わらず、キャラの認知度から当初いまいち期待されてなかったような印象の新ファイター「ミェンミェン」ですが、いざ配信が始まり対戦するようになってからというもの、このキャラクターの存在がもたらす影響が、私のような1400時間以上もプレイしている”スマブラが上手くなりたい、、、勝ちたい、、、”という人にはとても技術的に重要なことを示唆されてるのではないかと感じました。


〜新ファイターミェンミェンの本質は「リーチが長い」ではない〜

まず、新キャラクターの紹介を簡単にしたいと思います。
2020年6月30日に配信された新ファイター「ミェンミェン』ですが、バネのように伸びる二つの超長リーチな腕を利用しながら戦うファイターで、公式動画でも、長いリーチを利用して相手を寄せ付けないようにしながら戦うキャラクターと紹介されています。

※ミェンミェン参戦ムービー


※ミェンミェンの使い方



参戦ムービーや桜井氏の使い方動画を見た限りだと、最初はリーチの長いキャラと同じ、自分の得意な距離で一方的に戦ってくるキャラクターなのかなくらいに考えてました。実際、近距離の間合いではガーキャン行動や移動も遅く、着地はかなり弱い部類といっていいのでその考えは間違ってないと思います。そして、その時私はこう思ったのです。




「これ、ダッシュガード出来ない人、一生近づけず負けるんじゃないか??」



そうです。この規格外の長リーチの攻撃、この間合いの外からこちらが差し込みを通すのは不可能なのです。一番足の早いソニックでも難しいのではないでしょうか。なので「自分の強い行動を押し付ける」や「相手より有利な間合いで先手を取り続ける」といった、自分から攻めこんで展開を作っていくプレイスタイルで戦ってきたプレイヤーにとってにはめっぽう刺さる性能をしているのではないのかなといった感想を持ったのでした。
このような状況からミェンミェンを相手にした時には相手の攻撃をいなして反撃を与える操作技術を習得することが必須になります。
一般的に、飛び道具やリーチの長いキャラクターはリーチのある技は後隙が多く設定されています。なのでその弱みを突ける位置まで距離を詰めて圧力をかけ、相手に対空攻撃やラインを引かせて追い込んだりリスクを取らせる読み合いをしていくのが攻略の鍵となります。そのための、間合い詰めや、読み合いの出来る位置まで近づくための操作技術が「ダッシュガード」や「歩き」といった行動で、それを駆使しながら相手の飛び道具をガード、またはジャンプで飛び越えると反撃が確定する距離まで近づくことが大切になります。もし、飛び道具相手に苦労している人がいれば具体的なことをこちらの記事を参考にしてみてください。





このキャラクターを攻略するということはつまり、ダッシュガードや歩きなどの、攻撃を防ぎつつ距離を詰める技術を必修することになるよう調整されているのだなと感じました。
実際、ミェンミェンにダッシュガードは有効でしたし、しっかりジャンプ攻撃が届く距離であれば他の飛び道具キャラ同様の読み合いまでもっていけてるなと感じました。
しかし、何度か対戦を重ねていると、普段は通ってる差し込みがこのキャラ相手だと失敗するシーンに何度か遭遇したのです。ちょっと間合いを読み間違えたのかな?と最初は思っていたのですが、私はこの違和感の謎こそが今回、私が強く伝えたい、上達へ続く大きな学びが隠されていることに気づきました。

そして幾度もミェンミェンと戦ってみた結果、このキャラには2つの特徴が原因で、今までに述べてきた行動だけでは攻めが通用しないことが分かりました。

まず、その原因の一つ目というのが、「長距離攻撃の最中に後ろに下がることが出来る。」です。私はその他の飛び道具キャラと同じ対処方法である飛び道具の後隙の硬直を利用して反撃を取れる位置から飛び込み反撃を行っていました。しかしこのミェンミェンというキャラクター、長距離技でも強攻撃であれば引き行動をしながら攻撃を行えるのです。そうすると、こちらが思っていた距離より遠くなることから、今までなら届いてた攻撃が当たらない、またはガードされるといったことが起こっていたのでした。

そして残りのもう一つの原因というのが「攻撃を受けると大きく吹っ飛んでしまう」です。
ミェンミェンは他の飛び道具に比べると近づくのにガードが大きく削られます。理由は手数が多いことから削れる量が多い、2撃目の攻撃が来るのかの読み合いが発生するので安易にガードを解けない、などのことが関係してくるのですが、こうなってしまうと、こちら側はシールドを割られまいと焦って冷静さを欠いた行動を相手に読まれていると反撃を受けやすくなります。ここで、このキャラクターのいやらしい点だなと思ったのが、飛び道具並みのリーチを持ちながら、一度でも当たると仰け反りではなくしっかり吹っ飛ぶということです。せっかく距離を詰めたのに関わらず一発でも当たってしまうと、振り出しどころか、%によっては相手のノーリスクな間合いで撃墜拒否の読み合いをしなければいけない最悪な展開が待っていることもあります。
これらの二つの問題点を解決するには、相手が引いたり出来ない距離まで詰めて圧力をかけるという明確な意識と、そこまでちゃんと我慢出来ているかの判断力とが必要になるということです。それができれば必然と相手は常に崖の近くに位置することになるので、相手の弱みである崖外の展開にまで一気に持っていける大きなアドバンテージにもなります。もしも2つ目の原因でこちらの攻撃が届きそうにない場合は、焦って無理に飛び込むことはせず、慎重に慎重に、一旦2段ジャンプで時間を稼いだり、一旦間合いを外して、体勢を立て直す判断力も必要になってきます。


そして私はある時、二つの原因に苦しみながら対応策に試行錯誤してる最中、はっ!としたのです。今考えてやってることって、よくアドバイスの時なんかに聞く「ラインをコントロールすること」なんじゃないかと。。
私たちがミェンミェンに苦しめられている原因は「リーチが長い」からではないのです。このキャラが辛い理由は「ラインがある限りほぼ全てのキャラに有利な展開を取れる」ということなのです。
だからこのキャラクターに勝つためには「相手との距離を詰める」だけでは足りず、「ガードやジャンプからの差し込みが回避されない位置までラインを押し上げる」ことこそが大切なのだと気づいたのです。
私はいままで、相手の攻撃に合わせた引き行動からの差し返しを軸に組み立ててきたこともあり、正直なところ、攻撃を当てないでラインを押し上げるといった行動がどうこちらに有利に働くのか実感出来ずにいました。大抵の場合ラインを押し上げるといっても、差し返しで攻撃を当て、相手の吹っ飛びを利用して前に行くといった方法しか行って来なかったからです。ですが今回の経験を経て、こちらの攻撃が自分から前に出ていかないと当たらない状況を解決しようとしたお陰で、結果として今まで謎だったライン管理というものが、試合で意識出来るまでに至り、まだまだ完璧とは言えませんが、上手くいった時などは相手に関わらず、普段の展開がグンと良くなった実感がしています。


以上のことから私は”ラインをコントロールする技術”がこれこそが今回、アップデートバージョン8.0を通してスマブラ開発チームが私たちの上達のために用意してくれた贈り物だったのではないかと感じました。


試されているのは問題解決能力


いろいろと述べましたが、私がこのスマブラSPを1400時間も飽きずに今なお楽しんで続けてられる理由に、クイズにチャレンジしている感覚があるからだと思います。いろんなファイターのたくさんの使い手の戦術(クイズ)に対して、自分はしっかり相手にリスクをつけた反撃(解答)が出来ているか、もし正解を見つけることが出来れば、それが勝率となってポンと上がってといったイメージになります。今回のミェンミェンというファイターは私を含めた上達を望む全プレイヤーに「ライン(フィールド)のコントロール出来ていますか?」というクイズを出題されているのを肌で実感できるような経験になりました。そしてこの問題を解くことが出来た時、私たちはフィールドをコントロール出来る技術が身につくことによってより大きな成長を得ることが出来るのだと私は考えています。

参考としてですが、2020年、EVOJAPAN2020という、日本で開催された大型大会3000人の中でトップになった日本最強候補しゅーとん選手のミェンミェンを使用した動画を見ると、私たちがイメージしてる、引きながら間合いを空けて戦う立ち回りとは違い、安易にラインを下げないようして、掴みなどから詰めて復帰阻止に持ち込んでいることが分かると思います。


引用:しゅーとんchより



ミェンミェンに関しては以上になります。では次にキャラクターの調整について話していきたいと思います。


キャラクターのインフレが環境にもたらすもの


 

今回のアップデートでは、新キャラクター配信の他に実に多くのファイターが強化を受け、例のごとく一部では壊れキャラと呼ばれたり、新しい早期撃墜コンボ(実際は非確定がほとんど)等がSNSに投稿されました。

※キャラクター調整内容はこちらになります。

参考:任天堂公式HPより


しかし先に結論を言ってしまうと、一部を除いて今回のアップデートは、私たちに大きな影響を与えるものではないと感じています。

まず最初に、キャラクターが強くなると影響を大きく受ける可能性があるのは実力最上位以上が集まる大会環境です。キャラクター性能が変化すると、いままで大会で使用していたキャラクターで十分カバーしていると考えられていたマッチアップに変化が起き、大会の結果に、いままで見なかったような目を引くキャラクターがリザルト入りするということが起きます。
そうなると最上位プレイヤーは多くがプロ選手なので、勝敗が生活に直接関わることから対策を余儀なくされ、その結果として大会で使用されるキャラクターに変化が起きたり、影響力のある人のキャラランクの上位が大きく変化するといった現象が起きます。そして、最後にそれを観た一般層のオンラインで対戦にまで浸透して、初めて影響を伝わるといった流れになると考えています。



※キャラランクの作成基準に大会成績とSランクと言われるキャラクターに対抗出来るかといったことが判断材料になるといったことが下の動画の日本とアメリカ(メキシコ)でミュウツーやネスの評価が分かれてる理由から感じ取れるかと思います。

引用:スマブラハウスchより


また、ここから先は主観も混じりますが、人が最終的にどのキャラクターを使い込むかどうかは実際のキャラ性能はそこまで重要ではありません。
通常一般の人がキャラクターを使うのに必要な要素はまず「勝てること」、そして戦い方含めたビジュアルからの「愛着」の2つが存在すると考えてます。

例えとして、Mr.ゲーム&ウォッチを例にしましょう。このキャラクター、大会上位プレイヤーの声からは強いと言われているキャラクターの筆頭です。その理由がガーキャン上Bの発生の早さによる防御面と上スマ、下スマの後隙の無さといったことが挙げられますが、多くの上位勢ひしめくスマメイトでの使用キャラのランキングでは40位(7月3日現在)でした。ちなみに一つ上の39位はアイスクライマーで、多くの人のキャラランクでBや中堅などと言われてるドンキーコングはなんと、、3位でした。
オフライン大会では一時期Maister選手というメキシコの選手がメインキャラとして大会で優勝していたり、ザクレイ選手も操作の手軽さから大会でのメンタルスタミナ温存理由で選出してる程で、それほど強いのではあれば、もっとオンライン環境で使用率が増えてもいいはずです。しかし実際は丁度真ん中という結果。いったいこれはどういうことなのでしょうか?


今回のキャラ調整が私たちにどのような影響を与えるかといったことはこの部分から読み解くことが出来ます。


※世界最強のMr.ゲーム&ウォッチ使いMaister氏

出典:格ゲープレイヤーwikiより


では早速ですが、なぜ強いと言われてるキャラの使用率が増えないのか、答えは簡単です。
キャラクターを使い続けるには「対戦に勝つ」ことと「外見や戦い方を含めた愛着」が一定のラインを超えている必要があるからです。
ここで言う「愛着」とは、対戦に勝ちたい<このキャラクターで勝ちたいを指しています。特にこの「愛着」という要素が重要で、いくら強いと言われるキャラクターを使用して連戦連勝で勝ててたとしても、ある時必ず勝てない相手(ランク帯)に到達します。その壁にぶつかった時、それを越えられるまで踏ん張れるかどうかが、本人のキャラクターへの愛着よって大きく左右されるのです。
 もし、YouTubeであるファイターの動画を見て、何気なく使ってみたら、まさかまさかの連勝したりして、「このキャラ強いんじゃないか?」と思うわけです。今まで勝てなかった層に勝てたわけですからそう思うのも当然です。しかし勘違いしてはいけません。キャラクターを変えても肝心の私たちプレイヤーの技術が上がったわけではありません。キャラ性能によってゲタを履かされて、上のランクへ行っても必ずどこかで壁に当たりつまずくのです。負け続けても使いたいと思えるようなキャラクターの個性みたいなものがキャラ定着には重要なのであって、お手軽に強くなった程度では一瞬は対面するキャラクターに変化が見えてもすぐに元に戻ると考えてます。
万が一、強いけれど著しい作業感を受けて側が感じるようなキャラクターがオンライン環境で我が物顏で居座られ続けることになれば、それはそのゲームの衰退が始まるのも時間の問題でしょう。人は多くの場合、合理的なことより、感情で考えてしまう生き物だということなのです。


上記の理由から多くのスマブラプレイヤーにとって、アプデによるキャラクターのバフ調整は本作がファイターの多いことも相まって、あまり影響を受けない、または影響を受けるのは対戦割合が増えだした後ということになります。



最後に

今回はアップデートで感じたことを混じえて、自分が学んだことを記事にしました。
キャラ調整にしても相手の戦術が納得出来ないにせよ、結局それを解決するには自分の取り組み次第になります。私は当初ピチューを使用してVIPをめざしていたので、ある時のアップデートで大幅弱体化(通称ピチューショック)を受けた時はやりすぎだろと思いつつも自分の実力をしっかり見つめ直そうと取り組みを見直すいいきっかけだったとも思います。結果ルキナで目標であったVIPを達成した時は努力が実ったんだという気持ちでいっぱいになりました。

※今なお語り継がれるピチューショック...

スクリーンショット 2020-07-04 10.54.28


https://www.nintendo.co.jp/support/switch/software_support/aaab/detail/310_fighter.html

引用:任天堂公式HPより


そんな当時の私のような、今どこかであの時の自分と同じように悩んでる人がいたらを想像して、今の自分が少しでも役に立つような内容を意識しました。
今回重要なことにあげたフィールドコントロールも、存在を知り、理解して行動にまで落とし込むといったことはすぐには出来ません。ですが、どうもラインの押し上げ時間が勝敗にダイレクトに関わってるような気が最近は感じており、いつか検証データを取って何か発見があれば皆さんにお伝えできればと思っています。
2021年までDLCがあるということでまだまだ息の長いゲームとなるだろう大乱闘スマッシュブラザーズSPをこれからも自分なりに楽しく遊び続けていけたらなと考えてます。長時間となりましたが最後までのご拝読ありがとうございました。




〜あとがき〜
この記事を書いてる最中にも新キャラクターの開拓が進んでおり、ミェンミェン自体には復帰阻止のドラゴンブレスや着地狩りの投げといった頭を悩ませるものがたくさん出てきてるなと感じていましたが、それもこれからキャラクターの開拓が進むと同時に対策も進んでいくであろうと考えてあえてそこには触れませんでした。個人的には復帰阻止ドラゴンや投げの角度辺りのパラメータは最終的に弱体化を受けるのではないのでしょうか、、。行く末を見守りたいと思います。

もし依頼事項がありましたら、サポートとともに以来内容をコメントしてください。