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適当な決め方をすると適当に辞める

こんにちは。R to Rの井川です。


この時期になると思い出す、新人の頃に新規で取引をさせて頂き、紹介した人が12月30日にアルバイト入社し1日で辞めた話です。



「気合があればOKな求人」


2002年の冬、ある兵庫県の中小企業を開拓しました。


その企業は、外食店舗のメニューやチラシを作ったりしている会社で、社長と(多分)奥さん、そして右腕的おじさんの3名ほどで営んでいる会社でした。


求人の内容としては、その会社が開発?した写真印刷ができる機械をコンビニなどの店舗においてもらう営業をして欲しいというもので、営業経験者がベターだが、なくてもいい、気合があればいいというオーダーでした。



「社長の井川さんはいますか?」


その会社に何名かご紹介させていただくものの、ほとんどの方が辞退されました。


いくら就職難の時代と言えど、兵庫県の国道沿いに立つ雑居ビルの一室で、意味わからない機械の営業など誰も受けてくれません。


さらに、面接のアレンジは右腕的おじさんとやるのですが、必ず「井川社長はいらっしゃいますか?」と会社に電話してきました。


悪い気はしませんでしたが、さすがに新卒1年目だった私は、「私は社長ではありませんので…」とお伝えしても、次電話してくるときは、「井川社長はいらっしゃいますか?」と電話がありました。この辺もちょっと意味がわかりません。



「最終的にフリーター経験のみの方を採用することに」


なかなか決まらなかったのですが、私も物好きでその会社の意味不明感が何となく好きで、ちょこちょこと紹介しては、「あ、社長!」みたいに言われることを楽しんでいました。


そんなとき、フリーター経験しかない若い方が登録に来られました。


当時のJAC大阪支店では、『案件紹介に困ったら井川案件』と最後の砦的な言われ方をしていましたので、すかさずこちらの企業の案件紹介を行い、一次面接、内定と至りました。



「結局アルバイト入社をすることに…」


内定にはなったものの、その機械を導入してもらっているコンビニでの販売促進の手伝いに入って欲しいので、12月30日と31日はアルバイトで手伝いに来て欲しいと言われました。


実際に何をするのかあまりわかりませんでしたが、アルバイト入社しても良いのか?当時の大阪支店長に確認をしたところ、


「そもそもその案件大丈夫なんか?」

「お前フリーターをアルバイトで決めてどうすんねん」


みたいなことを言われたような気がしますが、とにかく仕方がないので入社してもらいました。



「年明けに出社すると…」


そして、年が明け、アルバイトで入社したことなんかすっかり忘れて、年始の営業開始日に晴れ晴れとした気持ちで出社したところ、右腕的なおじさんから電話があり、


「井川社長、先日来てもらったアルバイトの子、2日目から来なくなり、その後連絡が取れなくなりました」


その後、クライアントの社長にも謝罪し、大阪支店長からも雷を落とされ、散々な初日になりました。


誰でもいいから人手が欲しい企業に、何でもいいから1件決めたい営業マンが、どこでもいいから就職したい人を紹介した話です。


私はこれに懲りて、ちゃんとした会社に、ちゃんとした人を、ちゃんと決めることを心に誓いました。


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