そのオファー面談、価値ありますか?

こんにちは、RtoRの井川です。
 
弊社は人材紹介会社向けに人材コンサルタントをご紹介すること生業としておりますが、私自身は直近10年間近く人材コンサルタントとしてのプレイヤー業務からは離れて仕事をしていました。
 
そんな中、去年から急にプレイヤー業務を始めたわけですので、10年、20年前と比較して随分と変わったなと思う点が多々あります。
 
その中の1つが「オファー面談」です。
 

「以前はオファー面談なんてなかった」


 
2000年代や2010年代初頭においては、今ほど頻繁にオファー面談は行われておらず、エージェントがクライアントにお願いし、一緒にクロージングをしてもらうためにクライアントに一肌脱いでいただいていました。
 
性格の悪い人事にあたると、「こちらでもクロージングをしたのだから手数料を値下げしろ」と平気で言う人もいました。
 
基本的には、出たオファーに対してエージェント側で説明しクロージングするというのが一般的でした。

 

「現在は、猫も杓子もオファー面談」


 
ところがどうでしょう。最近現場復帰した私が驚いたのは、「カジュアル面談」や「オファー面談」が当たり前になりすぎていて、選考回数が増える一方です。
 
もちろんミスマッチを防ぐ観点から、丁寧に進めることは良い事ではあるのですが、オファー面談などなくても意思決定できるのにと思う方にも、「弊社のスタンスとして全ての候補者とオファー面談を行います」と言う会社も結構あります。
 
オファー面談をすること自体が目的になっているように思えます。
 

「オファー面談の目的って何だろう?」


 
オファー面談の目的とは、入社前に条件面や仕事内容などについて改めてミスマッチを防ぐために打ち合わせをしておくという目的もあると思います。
 
しかし、主に候補者が意思決定前に行う面談ですから、必然と候補者の動機形成が最重要になると思います。
 
採用するために面談するわけですから、その最大目標を達成しないと意味がない訳です。
 
しかし、今のオファー面談は人事担当者の方が、条件面などの説明を行い、懸念点や不安点などについて回答するといった内容に終始し、熱意が伝わりにくいケースが散見されます。
 

「私が体験した20年前のオファー面談」


 
私の話で恐縮ですが、まだ駆け出しの頃、一部上場の大手造船メーカーに経験豊富な船舶設計技術者をご紹介させていただいた時の話です。
 
国内で大型船舶全体の設計や建築進行管理などができる人材は転職マーケットにはほとんどいない時代です。(今でもいないかもしれませんが…その方はJAC Recruitment最高顧問の田崎さんのリファーラルで高校時代のご学友の方でした)
 
先方から「(オファー)面談をしたいのでランチをセッティングさせていただきます。良かったら井川さんもお越しください」とお招きいただいたので、候補者と赤坂見附で待ち合わせをして会場に向かいました。場所は、スウェーデン料理レストランと変わったチョイスでした。
 
先方は、専務、常務、管理担当役員、人事部長、人事課長と5名も来ており、何人かで来るとは聞いていたものの、まさかの5人も出てきたことに驚きました。
 
また、そこで話される仕事内容も、北欧のバルト海を走る大型砕氷船を造船して欲しいといった話で、馬鹿な私はようやくそこでこの店を選んだ理由が分かったのです。
 
スウェーデン料理を食べながら、北欧の海の氷河をかき分け走る船の話です。それをうちで作ってくれないか?という話でロマンしかありませんでした。
 
面談対応されるメンツ、会食の場所、話の内容、どれを取っても素晴らしく、候補者の意向もみるみる上がっていくのが横にいて感じられました。

 
「三顧の礼をもって迎える」とはこのことか!と当時24歳の私にとっては、とても印象的なオファー面談でした。
 
現在、私からご紹介させていただく方々も、多くの場合、オファー面談を行っていただきます。
 
そのオファー面談が「手なりになっていないか?」「面談するべき人がしているのか?」「本気で採りに行っているのか?」「内容はそれでいいのか?」など、せっかく時間をかけて行うわけですから、採用が成功するオファー面談を提案していきたいと心がけています。
 
 
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