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プロデュースした時に考えたこと。【前編】

新しい取り組みに進む前に、考え方の整理や記録という意味でもnoteに残しておくことにしました。
プロデュースしていく中で、企画を考えるたびに、IDOL REPORTさんでの取材を読み返すようにしてます。
https://idol-report.com/2023/02/09/interview-with-takahashirikiya-producer-of-the-new-group-to-be-formed-by-tambourineartists.html

遥か、彼方。
これまで既存のグループのプロデュースやディレクションがメインだったので、僕にとっては、初めて0からプロデュースしたグループです。
グループのコンセプトと、楽曲の方向性は既に構想していたので、プロジェクト管理と進行はかなりスムーズに行きました。

戦略部分では正統系楽曲派というジャンルを確立しようとしました。
アイドルシーンの多くはいわゆる王道フリフリ系が乱立していて、トップは「iLIFEさん」「フルッパーさん」、準トップ層で「君キュン」さんがいたり、さらに次点のグループも多く、勢いもあり+キラーチューン持ちの超絶激戦区なので、新参グループが勝てる見込みはまず無いです。

正統派でいうと、乃木坂さん、ノイミーさんと地上グループが上にいますが、地上とライブアイドルの間の中間層と次点のグループの数が、王道フリフリ系と比べて割と薄い状況というのに気がつきました。
その中には「タイトル未定さん」「群青の世界さん」といった正統派で楽曲のセンスと世界観やクリエイティブのオシャレさに強みのある、所謂、
”楽曲派界隈”という常に王道アイドルの影で評価されているジャンルのグループでもあったのですが、楽曲派界隈全体としても楽曲センスと世界観のオシャレさの戦いに拍車がかかってきている状況だったので、ハルカナは正統派でかつ楽曲派に寄せつつも、世界観やクリエイティブのオシャレさについては、逆に大衆向けの地上っぽくすれば、合間を縫って刺さるのでは無いか、と推察しました。
フランス料理もいいけど、牛丼食べたいよね。的なイメージです。
ファンの流れ的にもファン規模の大きい地上から降りてくる層と楽曲派界隈のライト層をターゲットにでき、足せば正統派系の中間層は狙えると考えました。

そういった戦略の上、次は楽曲を作るのに考えたことを書きたいと思います。
通常、楽曲を作る際にはメンバーのキーが云々と細かく考えるのですが、
ハルカナについては、各メンバーをそれぞれ下記のように評価していたので、それを元にどういう楽曲で勝負をするのか?を考えました。

最上|絶対的な歌姫。歌の技術料も高いし、同じ規模のグループでは絶対に最上より歌えるアイドルはいない。並のアイドルが努力してもコンディションが良い時の最上には絶対に勝てないです。姫というかもはや神の類。人が辿り着いてはいけない領域の歌。歌えない曲ってあるのかしら。

松岡|歌にしろ、ダンスにしろ、痒い所に手が届く存在。
「お願い松岡」でほぼ全て解決するくらいかなりできる子。
初期段階ではどうしても最上が目立っていたけど、その影でハルカナの軸を安定させていたハルカナの要。歌に表現力が出てきて歌で飯が食えるレベルになってきた。歌と表現力の両刀。本当にいい意味での小さな巨人。

山下|ハルカナの世界観を表現するには必須な存在で、アイドルグループとして歌だけでは通用しないところをカバーできる。入り込んだ時のパフォーマンスは目を奪われるし、それでも悪目立ちをしているわけじゃ無いから、協調性のあるパフォーマンスをする平手って感じ。ふとしたタイミングで橋本環奈みたいバズるはず。

高橋|本当にオールマイティ。自己分析がしっかりできているので、何をどうしたらいいのか努力で伸ばせる面倒のかからない優等生。教えられるより自分で考えてトライアンドエラーした方が結果につながるタイプで、かつ最後は必ず勝つ人だから、常勝不敗。全体的な技術も申し分ないし、足りないところも勝手に伸びてくれるから安心。さすがAD1位通過。

という強さを持っている人たちでした。

それでは、楽曲について

#1「キミと、夏休み。」
夏曲と言ったら、アイドルだったらタオル曲、個人的なイメージだったら
好きなジャンルでもあるレゲエと思い浮かびました。
また、音楽ジャンルでもハルカナは他の正統派とどう違うの?と問われた時に、レゲエというジャンルを持っていると、他との差別化できるので、好きなジャンルを選択する口実にしたとはいえ、ちゃんと理由は作りました。
レゲエというジャンルが受け入れられにくいのは認識していたので、
一般ウケしている楽曲を探し、研究しました。

湘南乃風さんの「純恋歌」「睡蓮花」がわかりやすいと思います。
レゲエを始めとした洋楽で使われている「レゲトンビート」は、
夏歌感が出るのと、ライブハウスなどのデカい音で聴けば、
タカまり、シンプルにキマるので、採用しました。

レゲトンビートがサビで採用されている楽曲は、
・ファンタスティックパレード |夢みるアドレセンス
・ドレミソラシド|日向坂46
・唱|Ado
・ワタリドリ|Alexandros
などがあります。

さらに、レゲエでは忘れてはいけない”裏打ち”とstagetime riddimも採用いただき、かなりレゲエに寄ったアイドル曲となりました。
★”裏打ち”=1サビ終わりの山下パート
★stagetime riddim=2サビ終わりのラップ部分
参考|https://www.youtube.com/watch?v=_mMiHHTfUBI


#2「ストローベリー。」
レゲエに寄ってもグループのイメージが濃くなるので、あくまで正統派アイドルというのを維持するには?と考えた結果、コールのしやすさとメンバーがみんなで歌えるところを増やそうというわけで、48っぽさを取り入れました。
ただそのまま過ぎても似た曲の一つと考えられてしますので、タイトルとシチュエーションに細工をし、この手の曲には無い聞き手に「?」を植え付けるように工夫しました。
ストロベリーじゃないの?英語の発音に忠実にするならストロゥベリーなのでは?など。
この曲は、シンプルそうに見えて実は深い楽曲でかつ、
ハルカナを設定を崩さない、THE王道曲になりました。

#3「senkou_hanabi」
差別化部分でいうと、タオル曲は他のグループも持っています。
レゲエジャンルに加えて、プラスでハルカナの特徴が欲しかったのです。
楽曲をセリフのように歌うポエトリーリーディングを採用したのはそう言った理由があるのと、欅坂46の「世界には愛しかない」という楽曲は当時聴いた時に衝撃を受けた覚えがあり、ライブアイドル市場においてはかなりの差別化になると考えました。ポエトリーリーディングは、演者の技量に全て委ねられるので、表現力に特化した山下に賭けました。表現力に集中できるようセリフ以外の歌割りは無くしサビすら歌わない+見せ場で崩れるという初見殺しの演出にしました。この技術を表現できるのは、今でも山下しかいないと考えています。


最初の3曲は、こういった考えのもとに生まれました。
それを踏まえて、プレデビュー時のライブ映像が楽曲を聴くと、
また違った聴き方ができると思います。

本文章は、実は途中であったり、あまり校正せず殴り書きなところがあるので、文章おかしいというのがあると思いますが、ご容赦を。。。
追記などしたらお知らせします。

そのうち、楽曲#4〜9、2期生に触れます。





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