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【009】専門家を名乗っていいのは何年目から?

今週は割と穏やかな1週間でした。自身の確定申告も終わり、CPも終わり、様々な3月末締めのお仕事も佳境を越えて、ここから来週・再来週は少し稼働が緩やかな日常になると思います。
他方、4月以降の新年度の仕込みであったり、新しい仕事の設計・開発なども行いたいので、それらに向けた準備もメリハリつけながら対応できればと思っています。

時の流れは早いもので、あと3週間後には4月。多くの会社では新しい年度となる月かと思いますし、年始に考えた目標を見直すには良い時期かと思います。
将来の目標に対する着地点・発射台として、過去の情報である履歴書の更新を半年から1年に1回のペースでやっています。改めて経験やスキルセットの棚卸は大事だなと思いましたが、それと同時に自分自身が専門家として知識・経験が身に付きましたと言いきれるのは、どういったタイミングなのかを改めて考えました。

とりあえず、1万時間の法則

1万時間の法則とは、ある分野のエキスパートになるには1万時間の練習・努力・勉強が必要だという理論です。

1万時間の努力がなければ一流にはなれないとする理論です。イギリス出身の元新聞記者・マルコム・グラッドウェル氏が広めて一躍有名になりました。

著書の中では「1万時間とは、偉大さを示すマジックナンバーなのだ」と提唱されています。偉大な成功者にも1万時間の下積みがあったと理論付けています。

https://news.mynavi.jp/article/20200908-1256884/

この1万時間の法則、めちゃくちゃシンプル(これぞマーケティング)なので2,3年前にめちゃくちゃ流行りましたね。1万時間を労働時間で割り算をしていくと、例えば2,000時間働くとして、5年かかる計算になりますが、現実的には、この2,000時間が全て特定の分野にのみ使われるという前提なので、実際は5年超かかるかなと思っています。他方で、労働時間以外にも自己研鑽の時間も含めれば5年内に1万時間に到達するでしょう。

ただ、現実世界で5年間も同じ仕事するのって飽きるのですよ。5年あれば、役職変わったりはもちろん、異動・転籍・転職なども当然に検討されうる時間軸だと思います。それでもなお、1万時間の法則、私は結構好きで、何故ならば超わかりやすいから。わかりやすさ、は何かを伝えるときに最も重要な要素です。

いま専門家?、むかし専門家?

1万時間の法則は優れた理論だと思うものの、この理論に対してどうしても補足したい点は2点。一つは、構築と維持の違い。

専門性を身に付けることと、専門性を定着させることは違います。
例えば、遥か昔、私は会計監査の仕事に就いたことがありますが、今は会計監査の専門家ですと言い切れないです。何故ならば、会計監査の仕事をしなくなって10年前後経過をしているので。
10年前後経過していると、流石に知識・経験も陳腐化しており、相応のアップデートしなければ、実務上は全然役に立たないですね。

なので、もし何かの専門性を身に付けた後には、維持も必要。構築するためのイニシャルコストと、維持させるためのランニングコストをそれぞれを念頭に入れて専門性を身に着ける計画をたてる必要があろうかなと思っています。
会計士視点で言うと、論文試験までがイニシャルコストであり、論文合格後の学習がランニングコストと思いたい人が多いかなと。

ただ、現実的には論文式まで2年合格して、補習所に3年通うとして、修了考査合格までだいたい5年ぐらいでしょうか。修了考査合格ぐらいでようやく1万時間に到達かもですね。

サプライヤーじゃなくて、バイヤーとしての評価

2点目は、バイヤー目線での評価。

穿った見方をすれば、1万時間の法則って「僕/私が、こんなに沢山頑張ったんだから評価してくださいよ」というサプライヤー目線でのお話にもなるんですよね。もちろん、1万時間の法則のお話の中では、その時間の使い方の内容や濃さにも言及されておりますが、誤って表面的な切り取り方をすると上記の話になります。

それと対をなすのがバイヤー目線での評価。個人的には、受発注でいう発注側の法人・個人から専門家だと認識してもらえれば、別に1万時間要らないと思うんですよ。

で、専門家として認識してもらうために何が必要かと言えば、実績のみかと。プロの人って「練習では上手く出来たんですけど、本番では何たらかんたら~」って言い訳しないですよね。だからまぁ、兎にも角にも実績が全て。

ここで問題となるのが、実績を作るためにはまず専門家として認知してもらわらないといけない派です。こういう対立構造になります。

先に実績を作れ、それが専門家としての認知だ
          vs
先に専門家として認知が必要、そしたら実績を作れる

私なりのお答えとしては、「見習いぐらいの業務からスタートして、そこで実績を作って、徐々に専門家として認知してもらったら?」という感じ。そもそも誰だって、他の専門家と比較して遜色ないいきなり実績を作れるわけではないので、螺旋階段登っていきましょう。

専門性、別に要らなくない?

最後に台無しな話をさせていただくこと、個人的には専門性ってどうでもよくない?って常々思っています。

お仕事いただくときに「会計士であるRemさんにお願いしたいです」「ご専門の分野で多数の実績があるので、今回はぜひご一緒させてください」とか言ってもらえることもありますが、何より一番嬉しいのは、そういう枕言葉全部取っ払って、「Remさんお願いします」と言われるときです。

個人名>>>実績>>専門性(資格含む)

この順番で認知されるのを目指してます。

以上です。ありがとうございました。

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