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ラジオCM制作の授業にRadiotalkを導入した松阪高校の取り組みに迫る

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、Radiotalkを授業で使用している三重県立松阪高等学校にフォーカスします。

(取材・文/ねむみえり

松阪高校とRadiotalkがラジオCM制作でコラボ

三重県松阪市にある松阪高校では、2020年度からRadiotalkを活用して、市内にある文化財を紹介するラジオCMを制作する授業を行っています。

Radiotalkでは、松阪高校とのコラボ企画として、最終選考に残ったラジオCMをRadiotalkユーザーが審査するという企画を実施しました。

2020年度は5段階の評価をフォームに記入するという形でしたが、2021年度には審査方法を変更し、投票したいラジオCMに「松阪高校ラジオCM投票券」を贈るという形での審査となりました。

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【2020年度】

【2021年度】

この松阪高校での取り組みには、松阪市も関わっているため、市長と副市長2名の計3名による審査も行われました。

今回で2回目となる、Radiotalkを利用しての文化財ラジオCM制作。
見事、最優秀賞とRadiotalk賞をダブル受賞したラジオCMは、松阪高校1年生の曽我さんが作成した『御城番屋敷【質問来てた?!篇】』です。

【共同主催者の声】松阪市長・竹上真人さん

ーー最終選考作品を聴かれて、いかがでしたか?

竹上市長:最終選考に残った10作品をすべて聴きましたが、いずれの作品も工夫が込められていて、楽しく聴かせてもらいました。ラップ調になっていたりと、高校生ならではの工夫が込められていたのが印象的です。

ーー審査をしてみて、率直な感想をお聞きしたいです。

竹上市長:審査は2名の副市長も交えておこないましたが、得点にはかなりばらつきが出ました。いずれの作品も、人の心をつかむ工夫が込められていたのが、ばらつきが出た理由だと思います。

中でも、最優秀賞の作品については、完成度や着眼点などが、かなり高いレベルでまとまっていたように感じました。

受賞作品も含め、何より、松阪市の文化財について地元の高校生がしっかりと調べ、発信してくれたことに感謝を伝えたいです。

ーー今回、ラジオCMを制作するために使われたRadiotalkについての印象は?

竹上市長:従来は動画を使ったCMの作成を行っていましたが、コロナ禍の影響もあり、音声だけでのCM作成となったと聞いていました。動画のCMに比べ、音声のみでは少し寂しいと思っていましたが、出来上がった作品はどれも工夫が込められていて、感心しました。

松阪市のことを知ってもらったということは、高校生たちや松阪市にとってもよいことだったと思っています。

【受賞者の声】松阪高校1年・曽我さん

ーー簡単に自己紹介をお願いします。

曽我:松阪高校1年の曽我です。

ーーRadiotalkを使ってラジオCMを作るという授業に対しての最初の印象は?

曽我:過去に映像で松阪市をPRするCMを作っていたのは知っていたのですが、ラジオと聞いて少し驚きました。

ーー1分のラジオCMを作る過程を教えて下さい。

曽我:まずは、どの文化財を紹介するかを選びます。そこから、その文化財について調べたり、実際に足を運んで、文化財の魅力となる部分を見つけます。1分のCMにまとめなければならないので、文化財のいい所を1番よく紹介出来るような文章を考えて、台本を作ってから録音します。その録音を聴き直して、編集を加えて完成です。

ーー実際にラジオCMを作ってみて、面白かったところや工夫したところ、反対に大変だったところはどこですか?

曽我:視覚で伝えられることが、サムネイルと概要欄のみだったので、まずは人の目を引くためにサムネイルを特徴的なものにしました。

紹介する文化財の情報は、ラジオCMで説明するだけでなく、概要欄にも書きました。音声のみでは流れてしまう情報を概要欄に書くことで、ラジオCMを聴き終わってから確認できますし、ラジオCMでは説明しきれない詳細な部分も補足できるようにしました。

普段、ラジオをあまり聴かないので、どんなものが普通のラジオCMなのか分からなかったのですが、いざ作り始めてみるとアイデアがどんどん浮かんできて楽しかったです。

(ラジオCM作成についてのアフタートークも配信中。ラジオCMを作る際に工夫したという特徴的なサムネイルをこちらでも使っています)

ーー最優秀賞とRadiotalk賞に選ばれたときの気持ちを教えて下さい。

曽我:みんなで一生懸命やったので、やりきれたなあという気持ちでした。友達やクラスメートから「おめでとう!」と言ってもらえたときは、すごく嬉しかったです。

ーー審査員のコメントを読んで、嬉しかった部分などはありますか?

曽我:自分が工夫した点が、しっかりと伝わっていたなと感じられて嬉しかったです。中間発表の時は、訂正ポイントを指摘するようなコメントが多かった気がするんですが、最終発表のときは、ほぼほぼお褒めの言葉を頂けたのですごく嬉しかったです。

【授業にRadiotalkを導入した理由】松阪高校教諭・羽根亨さん

ーー自己紹介をお願いします。

羽根:三重県立松阪高等学校で教諭をしている、羽根亨と申します。松阪高校にきて2年目になります。

ーーRadiotalkを知ったきっかけは?
 
羽根:CMをテーマにした授業は、私が赴任する前から松阪市役所と松阪高校が協力して行ってきていました。

しかし、2020年からコロナ禍に入ったことで、取材などに制限がかかってしまい、今までとは違った形でのCM作成の方法を模索していました。そんな中、Radiotalkの運営さんとお話しをする機会があり、そこでRadiotalkの存在を知りました。

ーーRadiotalkを授業に取り入れようと思った理由は?

羽根:手軽に音声を録音して配信できることが大きいです。また、Radiotalkの運営に携わる方々に協力いただいていたので、万が一のトラブルが起きたときに対応していただけるということは安心材料でした。

ーー文化財を紹介するラジオCMを作るという授業を行うことになった経緯は?

羽根:本来は文化財に限らず、地域の魅力の発信を目的としていました。しかし、コロナ禍ということで取材や行動に制限があり、松阪市役所が管轄している施設に限定して、取材などを行わせていただくことになりました。その経緯があったため、市の管轄である文化財の紹介をするラジオCMを作成することになりました。

ーーラジオCMを作るまでの授業の流れを、大まかに教えてください。

羽根:まずは、ランダムにチーム分けを行い、ラジオCMで紹介する施設を決めてもらいます。そこから、ラジオCMをどのような形にするか企画を立てて検討し、実際に取材を行って、録音をしてもらいます。

その後、松阪市の担当者の方に出席してもらい、ラジオCMの中間発表を行います。そこでの担当者の方にもらった指摘をもとに修正を各自行い、最終発表となります。

最終発表はクラスで行い、生徒同士で審査をしあって、点数化しました。

ーー2020年度、2021年度と文化財を紹介するラジオCMを作る授業を行った中で、印象的なことはありましたか?

羽根:文化財という比較的堅いテーマの中で、生徒の独自性がみられる作品が多くありました。時代を反映したYoutube広告やTikTokのパロディがいくつか見られたことや、歌ネタ、お笑い系など、聴く人に興味を持たせる作品は特に印象に残っています。

ーー実際にラジオCMを作っている生徒さんたちの様子はいかがでしたか?

羽根:各チームで取組み方が違い、楽しく取り組むチームもいれば、終始無言のチーム、行動がばらばらのチームなど多種多様でした。もちろんランダムでのチーム分けをしているので、さまざまな人間関係があるとは思うのですが、楽しく取り組めたチームの方が比較的良い作品に仕上がっていったように思います。

チーム分けをランダムにした理由は、 いろいろな人の考え方に触れて、1つの作品に仕上げていくことの楽しさや難しさを体感してもらいたかったからです。

振り返りのアンケートでは、「仲の良い人と組みたかった」という意見もありましたが、「このチームで新しい友達ができた」という意見もありました。個人的にはこういった機会は大切だと思っています。

ーー2年連続でRadiotalkを授業で使ってみて、率直な感想をお聞きしたいです。

羽根:Radiotalkの運営さんには、CM制作の手法や音声メディア業界に関する資料も共有していただきました。ラジオCMの制作にとどまらず、生徒たちが今後のキャリアを考えていく上でも参考になったかと思います。

また、音声でのCM制作は、映像でのCM制作に比べると手軽にできると感じました。ただし、良いものを作ろうと考えていくと奥の深さを感じる、そんなメディアだなと私自身思いますし、振り返りのアンケートでも、生徒から同じような意見が出ていました。

普段何気なく聴いているもののバックグラウンドには、誰かの努力や工夫があるというのを生徒が体験できたのは良かったと思います。

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