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プロ契の「給与還元率」が80.8%の理由

リツアンのプロ契の一人当たりの利益額は約65,000円です。

これは、当時の製造派遣の一人当たりの毎月の利益額を参考にしています。技術者には高い付加価値があり、そのため単価が高いことは理解しています。しかし、付加価値があるからといって高い利益額を取る理由にはなりません。製造派遣者も技術者も、それぞれの労働には同等の価値があるからです。

リツアンでは、この考えに基づき、プロ契の利益額を約65,000円に定めています。

つまり、職種や業務内容による単価の違いはありつつも、利益額に関しては公平であるべきだと考えています。

他のSES企業の方から、リツアンのプロ契は利益が少なく「ボランティアだ!」とのご指摘を頂きましたけれども(笑)、逆に問いたいのは、世の中には数多くの製造派遣会社があるなかで、SES企業や技術派遣会社だけが、なぜ特別高い利益額を取らなければならないのでしょうか?

製造派遣会社が一人当たり65,000円程度の利益で経営を続けられる(むしろ拡大している)のに、SES企業や技術派遣会社はなぜ一人当たり数十万円の利益が必要なのか?

一部のSES企業は待機保証を理由に高い利益を要求しますが、多くのSES企業は稼働率の高さをアピールしています。例えば、稼働率が99%と高いことを強調しながら、待機の不安を煽るのは矛盾しています。待機リスクが低いのであれば、高額な利益を取る必要はないはずです。

エンジニアは、この高額な掛け捨て保険に気づいてほしい・・・

教育コストを挙げる方がいますが、製造派遣も法律で教育訓練が定められていることを踏まえた上で、皆さんの会社が提供している社員教育は、エンジニア社員からどのような評価を受けているのでしょうか?リツアンが見本にしている技術派遣大手の研修内容も、転職してきた社員からは「内容が薄い」との評価です。

また、東洋経済の調査によれば、企業の年間教育研修費用の平均は一人当たり約5万円程度です。大手上場企業ですらこの程度の予算で教育を行っているため、SES企業が教育コストを理由に高額な利益を取ることは正当化できません。 不況時のリスクを挙げる方がいますが、そちらに関しては下記をご覧ください。

※ただ、断言できるのは、還元率を水増するSES企業は不況時にエンジニア社員を守ることはしません。

私は約25年にわたり人材業界に携わってきました。新卒で大手技術派遣会社に入社してから現在まで、業界の事情に精通していると自負しています。SES企業や派遣会社が提供するサービスのカラクリについて、多くの方と情報を共有し、納得感を持ったうえで転職先を決定してほしいと願っています。

補足1:創業当時(2007年)の静岡県の製造派遣の一般的な単価は1,800円/hです。これに対して派遣社員への時給は1,200円でした。1日8時間労働、月20日出勤、社会保険料の会社負担を売上に対して10%と仮定すると、一人当たりの利益は67,000円ほどです。この利益額をプロ契の利益額の参考にしました。

補足2:単価70万円に対して、IT派遣の平均マージン率39%で計算すると、マージン額は27万円です。ただし、マージンの中には社会保険料の会社負担が含まれていますので、それを差し引いた額(一人当たりの利益額)は月間20万円です。 IT派遣の利益額(20万円)と製造派遣の利益額(67,000円)には大きな差があります。その差額は月13万5千円、年間160万円です。技術者には付加価値があることは理解していますが、それを理由にSES企業が年間160万円もの多額の利益を得ることが正当化されるべきではないとリツアンは考えています。この差額を問題視し、公平な利益額設定を目指しています。 プロ契後の「さよならマージン」については、こちら下記をご覧ください。

※ SES企業や技術派遣に転職する際に、業界の裏事情について『SES/技術派遣 転職虎の巻』を作成しました。これからITエンジニアを目指す方に、業界を知る手助けになることを願っています。


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