言語聴覚士って?
こんにちは、うしくんです。今回は、言語聴覚士(ST)の具体的な仕事についてお話しします。前回の自己紹介でも触れましたが、私は主に摂食嚥下リハビリを専門として活動しています。では、言語聴覚士の仕事はどのようなもので、どのように患者さんに貢献できるのでしょうか?今回は、リハビリテーションの流れや具体的な役割についてお伝えします。
言語聴覚士の役割
言語聴覚士は、言語・発音・嚥下障害などに対するリハビリを行う専門職です。具体的には、次のような障害に対応します。
1. 言語障害: 事故や病気によって言葉が出にくくなる失語症など、言語に関連する障害。
2. 発話障害: 声が出にくい、発音が不明瞭になる構音障害や声帯の問題。
3. 嚥下障害: 食べ物や飲み物を飲み込むことが難しくなる摂食嚥下障害。
これらの障害に対して、言語聴覚士は評価・診断を行い、患者さん一人ひとりに合わせたリハビリ計画を立てます。例えば、嚥下障害のある患者さんには、嚥下訓練や嚥下補助具の使用を提案し、日常生活の質を高めるサポートをしています。
リハビリの具体的な流れ
言語聴覚士が関わるリハビリテーションには、以下のステップがあります。
1. 初期評価
言語や嚥下の能力を測るためのテストを行い、どの程度の障害があるのかを評価します。例えば、嚥下障害の場合、スクリーニングテスト(反復唾液のみテスト、水飲みテスト、フードテスト等)、嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査などの検査を用いて、嚥下の様子を確認します。
2. リハビリ計画の作成
初期評価を基に、患者の状態や生活環境に合わせた個別のリハビリプランを立てます。リハビリは個々の状態に応じた目標を設定し、患者自身がどのような生活を望んでいるかも重要な要素です。
3. 実際のリハビリセッション
摂食嚥下リハビリでは、実際に食べ物を使った訓練や、嚥下筋を鍛えるトレーニングを行います。言語訓練では、発話の練習や会話を通じてコミュニケーション能力の向上を目指します。
4. フォローアップと再評価
一定期間リハビリを行った後、再度評価を行い、進捗を確認します。必要に応じてリハビリの計画を調整し、さらに効果的な治療を目指します。
摂食嚥下リハビリの重要性
私が特に力を入れているのが、摂食嚥下リハビリです。摂食嚥下障害は、加齢や疾患によって発生することが多く、放置しておくと誤嚥性肺炎のリスクが高まります。そのため、早期にリハビリを開始することが重要です。
例えば、各種検査で嚥下機能に問題が確認された場合、その結果を基に具体的な訓練を行います。口腔内の筋肉を鍛えるトレーニングや、特定の食材を使った嚥下訓練は、患者さんの自信を高めるだけでなく、誤嚥を防ぐ効果も期待できます。食事摂取時の姿勢を個別に整えるだけで上手く飲み込めるようになる場合もかなり多いです。
まとめ
言語聴覚士の仕事は多岐にわたりますが、最も重要なことは、患者さん一人ひとりに合ったリハビリを提供することです。摂食嚥下リハビリのように、専門的な知識と技術が必要な分野でも、効果的な介入を行うことで患者さんの生活の質を向上させることができます。
今後もこのブログを通じて、具体的なリハビリ方法や効果的な治療アプローチを紹介していきますし、私が読んだ文献や参加した研修等についても皆さんと共有できたらいいなと考えています。