読書会 第8回  読書について 


毎年この時期は雨が多く憂鬱になる。

しかし、紅茶でも飲みながら風通しのよいところで雨音を聞きながらの読書はとても優雅なひと時。

結局のところ事実に対してどう捉えるかの違いであって、その感情と上手に向き合うことで行動も変わるとしみじみ思う今日このごろのJantennaです。


今回は読書会なので読書についての書籍です。
1/3は著者の不満がずーと続くので「絶対買って読んだ方がいい!」と言えないですが、残りがとても納得できる内容ですごくスッキリしました!


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読書について /  ショーペン・ハウワー

光文社
お薦め度 ★★★★☆
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::どんな人?
ショーペン・ハウワー / 1788〜1860年 (2022年〜160年前の江戸時代終わりから明治時代始め) ドイツの哲学者

・代表作
「意志と表象としての世界」「知性について」「幸福について」「自殺について」「女について」「余韻と補遺」

・言葉の疲弊や匿名による言語活動から来る文化の衰退をいち早く察し警鐘を鳴らした。

・トルストイ(戦争と平和)、ニーチェ、フロイト、森鴎外、ワーグナーに大きな影響を与えた。

・カント/現象と物自体の区別、
プラトン/イデア論、
フリードリヒ・マイヤー/インド哲学、同一性、無価値性の研究を行った


*心がけたい一説
・不朽の名作であるためには多くの美点がなければならない
・午前中3時間を執筆にあてる 
・脳髄にそれ以上要求すると思索の力がおとろえ独創性がなくなり文体が荒れる
・書き物のあと1時間フルート(ロッシーニ)を奏でる
・本を読むとは自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ(他人を知ることであり歩み寄りに繋がることでもあるのではないか?)


*納得の一説
 ほとんどいつの時代も芸術や文学では根本的に誤った見解やインチキな手法、流儀が流行し称賛されることがある


*マイナスポイント

 事実にもとづいているとはいえ、感情論も多く愚痴や批判も多かった。



::名言 格言


・普通の人々は時間を潰すことに心を用い、才能ある人間は時を利用することに心を用いる

・ショーペン・ハウワーに感化され完成した「ニーベルンゲンの指輪」を送ったがワーグナーに対して「音楽化をあきらめて詩人になった方がいい」と言われてしまう。

・論文を読んだゲーテは才能を感じ、色彩論と哲学を学ばせようとし話し合える友であった。
 母の文学サロンにゲーテの娘をよこすほどであったが、母とショーペン・ハウワーは仲違いしその後会うことはなく生涯をとげることになる。

・男同士は互いに無冠心だが、女は生まれつき敵同士である。

・全ての人間は他人の中に鏡を持っている

・月並みな脳みその持ち主はこれを習得し用いようと賢明になる。
 識者はこれを見抜き冷たく拒絶し跳ねつけ流行に左右されない。
 数年経つと一般読者も嗅ぎつけて愚行の正体に気がつき今度はあざわらう。

・整理されていない蔵書より、きちんと整理されている蔵書の方がずっと役に立つ。(量より質)

・重圧を与え続けるとバネの弾力がなくなるように、多読に走ると精神のしなやかさが奪われる
・自分で考えることと本を読むことでは精神に及ぼす影響に信じがたいほど大きな開きがある

・自分で考える人は、まず自説を立てて後から権威筋や文献で学ぶわけだが、それは自説を強化するにすぎない
・自発的に正しく考えるものは正しき道を見出す羅針盤を持っている。だから読書は自分の思索の泉がこんこんと湧き出してこない場合のみ行うべき。

・素材とは「何について考えたのか」であり、表現形式とは「どう素材に手を加えたか」「どうかんがえたか」だ。

・無知は人間の品位を落とす。しかし人格の下落が始まるのは無知な人間が金持ちになった時だ

・読書するとは自分で物を考える代わりに他人に考えてもらうこと

・一日中たくさんの本を暇つぶしで読んでいると自分の頭で考える能力が失われるのは、いつも馬車に乗っていると自分の足で歩けなくなるのと同じ。

・本を読んで血となり肉tなるのは噛み砕いてじっくり考えたことだけ。

・洋書を読むための条件は悪書を読まないことだ。人生は短く時間のエネルギーには限りがある。

・「類は友を呼ぶ」と同じで偉大な人物の思想より、知識の浅い人の底の低い退屈な話の方が読者と同じで居心地が良いからだ。

・「古人(こじん・いにしえびと)の描いた物を熱心に読みなさい。現代人が古人について論じたものは大したことはない」シュレーゲル

・二種類の文学
 ・真の文学/不動の文学
  学問や師のために生きる人々によって育まれ、己の道を熱心に静かに歩む。
  歩みは極めて遅く、100年に10ほどの作品しか産み落とされないが、永遠の生命を持つ。

 ・うわべだけの文学/流失する文学
  学問や詩を生活の糧とする人々によって営まれ駆け足で進む
  関係者が大騒ぎして毎年何千もの作品が市場に出るが数年後には「あの作品はどこへ消えたのか」いち早く「大評判だったのにあの名声はどこへ消えたのか」と言う声を聞く。

・私達は食物で身体をやしない、書物で精神をつちかう。
 私達は自分が興味あるもの、つまり思想体系や目的にあうものしか自分にとどめておけない。
 思想体系がないと何事に対しても後世な関心を寄せることができず、本を読んでも何も身につかない



ではまた次回!
Jantennaでした。

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