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音楽とエスケープ

リハが始まって音が鳴ったとき、急に現実味を帯びて緊張した。THURSDAY’S YOUTHの音がライブハウスに響いて、ああ始まるんだと思った。

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わたしが企画を打ったのは、2年目の春。
他サークルと兼サーしていて、両サークルが忙しくなって、なんとなく生き急いでいた。

音楽は、別に「人を救う」ものではないと思う。

でも、日常に疲れた時に音楽は寄り添ってくれる、許してくれる。
「逃げる」という言い方がわたしには合っていた。
「逃げる」よりも「エスケープ」って響きの方が、なんだかちょっとわくわくした。

わたしがずっと好きなのはギターロック、だけどロクステではちょっと少数派だった。(みんなお洒落でかっこいい音楽を聴いてる)
ギターロックもお洒落な変拍子バンドも好きで、うまく掛け合わせられないかな、と思って対バンを考え始めた。(みんなはお洒落でかっこいい音楽を聴いているけど、ちゃんとアドバイスもしてくれる)

ロクステに入る前からライブに通っていたchelovek.は呼ぶと決めた。

ロクステに入ってから聴くようになったシューゲイザーみたいなバンドを呼びたくて、白鳥の下でを誘った。

「エスケープ」というコンセプトを決めたとき、一番似合うと思ったTHURSDAY'S YOUTHに出てもらえることになった。

ロックバンド、uguisはクールで熱くてぴったりだと思った。

聴いたことない!といいながら、ロクステのみんなは助けてくれた。
Twitterで広報を手伝ってくれた、楽しみって言ってくれた。

フライヤーも自分で作っていて、これもこだわればとことんこだわれちゃうので5種類くらい作りたいくらい(!)
反省点は腐るほどあるけれど、あのときやりたかったことができた喜びはひとしお、忘れない。
代々の企画者が言っていたことがわかって嬉しかった。
そして、わたしも後輩たちに楽しさを伝えている(つもり)。

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11月に、弾き語りのイベントもやらせてもらった。

規模は小さかったけれど、温かい空間が作れてこの日も幸せだった。
フード出店(お弁当)の夢も叶えさせてもらえた。
まだまだこのサークルでやりたいこともできることもたくさんある!

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実は、chelovek.は解散を決めたしuguisは無期限活動休止を決めた。

好きなバンドがかたちを持たなくなってしまうのは悲しい。
音楽はなくならない、という人もいるけれど、わたしは穴が空いた。

でも、あの日あのライブがあったことはなくならない、と思う。

また、生きて会える日を楽しみに、今日も生きていようかなと思う。

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