無心ということ 鈴木大拙

鈴木大拙(1870-1966) 日本の禅文化を海外に広くしらしめた仏教学者。

著書「無心ということ」の読書記録として、一部内容を抜粋。

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・無心は本能に還ること。幼児はそれを持っている。歳をとって経験を経るほど本能から離れ無心を離れていく。社会的制裁、人間的拘束、そういう鎖の中に閉じ込められてしまう。
・知恵を増やすことで、返って複雑な人間関係ができるという矛盾。
・一方で、子供時代や動物には味わえない一種の価値を持った世界が展開する。
・本能と無心の矛盾と、あるいは本能の中に存している無心を、どのように働かせるか。
・本能は無心であるが、それは動物の無心であって、人間生活の無心ではない。人間の無心には洗練された世界がある。次から次へと創造していく、それが天地の心、人間の無心。
・その天地の心に反省を加える。それが人間の意識。悩みが矛盾を生じ、それが意味を持つ。
・有我と無我、有心と無心の世界の交錯があるのが人間。その入り組みの中に無心がある。

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