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発破をかける

どうやら「禍」というものは一応終焉した昨今だが、この3年で、僕は在宅勤務でもそれなりに生きていけると分かったことは人生を左右するほどの重大な収穫だった。

家で仕事をしている分なのか、プライベートな時間を自然と外で過ごすことが増えた。

それでも1日の在宅時間は2010年代に比べて当然増えているので、現在はエアコンの使用時間が長いことがネックだ。


今朝もいつものように起きてからエアコンのスイッチを入れたが、室温は30度近い数値のまま昼を過ぎ。

扇風機を付けてなんとかやり過ごしたが、夕方になる頃には身体が重く感じ、少しグッタリしてしまった。

熱中症の手前の手前の手前くらいの状態だろう。

エアコンを確認すると設定は確かに冷房28度。

それなのにどう考えてもエアコン側に勢いがなく、室温は30度を維持している。

稼働はしているので、壊れたと判断するには時期尚早、しかし身体の疲労感が出ているので問題だ。

冷たい飲み物は身体を冷やす効果はあるが、疲労感を増幅させるので、今の時期はむしろ避けている。

テレビで、手と足の毛細血管を冷やすことで身体が冷えると聞いた。

冷凍庫から保冷剤を取り出し、手と足を一気に冷やしたら、汗が止まった。

と言うよりも午前中から夕方まで絶えず汗が出ていたことが、手足を冷やし汗が止まったことにより判明した。

そりゃグッタリもするよな、過酷な環境下で良く頑張った、自分。


冷えて少し回復した身体で、エアコンともう一度向き合ってみる。

室外機の音が近所迷惑にならないかと心配し、風量を極限まで抑えているのが僕の日常。

しかし今は僕の健康に関わる一大事。

温度を26度に落とし、風量を「普通」くらいまで引き上げてみた。

扇風機レベルまではいかないが、髪がなびくくらいは出るもんなんだな。

しばらく「26度の普通」に吹かれていると、物凄く寒くなってきた。

僕は知らず知らずのうちにエアコンに発破をかけ、通常運転に復活させていたようだ。

発破を掛ける
はっぱをかける

強い言葉で激励したり、気合いを入れたりする。「選手に―・ける」
[類語]励ます・力付ける・引き立てる・元気付ける・螺子(ねじ)を巻く・活を入れる・鼓舞・督励・鞭撻・激励・声援

精選版 日本国語大辞典

現在、室温27.3度。非常に快適だ。

今日は仕事の効率を落としてしまった分、明日取り返さなければならないが、これなら大丈夫そうだ。


それから、どんなに汗をかいても柔軟剤の良い香りが漂うだけの清潔な僕のことを、僕は好きだ。

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