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映画評 エリック・ロメール

おかげさまでこのnoteも今回の投稿が200記事となりました。ここまで続けてきたのは、やはりご覧くださっている読者の方のおかげだと感じています。本当にありがとうございます。

さて、今回は3連休ということもあって、少しブレイクできるネタです。最近、ステイホームや多忙なためか、遠のいてしまっているのですが、映画についてです。もともと自分はさほど映画は見ない方でしたが、見るきっかけになったのは、編集系の専門学校に通っていたときです。映画概論という授業があり、そこからさまざまな映画を見るようになりました。映画の作り方はもちろんのこと、作品が出てきた歴史的背景、制作された国や地域の文化など、映画というものの奥深さを感じたからです。そのように色々と見たなかで、印象に残った監督の1人が、エリック・ロメールです。

フランスで1950年代にあったヌーヴェルバーグと呼ばれる新しい映画運動の中から出てきた監督です。90年代にパリのランデヴーや夏物語などを製作し、最後の作品となったのは2009年に日本では公開された「我が至上の愛」です。エリック・ロメールの主たる作品のテーマは「愛」で、最後の作品もこれがテーマです。「我が至上の愛」は、ローマ時代の羊飼いの少女と青年の話で、ストーリーに関しては、見ていない方もいるので、詳細は記しませんが、この監督の場合は、BGMは一切は使わず、自然の音、実際の場所でリアルに撮影して、そこでの男女のやりとりをカメラでつないでいくという手法です。何かそのまなざしが柔らかったのを覚えています。最後の作品は監督が87歳の時。これを見た時は、もう1回くらい撮ってもらいたいという気もしましたが、公開後の2010年に生涯を終えています。今、思い出すとかテーマも撮影手法もシンプルだったな、という印象ですが、動画全盛の時代、今後は案外こうしたシンプルなコンテンツが求められてくるかもしれません。

#映画 #ヌーヴェルヴァーグ #エリック・ロメール