見出し画像

書評 22世紀の民主主義 成田悠輔

著者のことを知ったのは、SNSや動画での発信を通じてだが、その後地上波でも見るようになった。紋切型のコメントではなく、新たな視点から違った切り口で発言しているような印象を受けた。そんななかで、同書がアマゾンの政治カテゴリーで1位になっていたので、ポチって読み始めた。

「若者が選挙に行ったくらいでは世の中は変わらない」との切り口から、著者の領域でもあるデータ・アルゴリズムにより、民主主義のあり方を変えることを提唱している。アマゾンのレビューを見ると、酷評している向きも見られるが、昔の浅田彰や宮台真司辺りが登場した時も、頭が硬い、ないしは古い世代からは、新世代への批判は少なからずあったから、それと大差はない。読んでみての感想は、すでに各国の政策の過程では、データやアルゴリズムの活用は相応に進んでいること。小生はその当たりの知識が不足しているので、もう少し勉強しなくてはと感じたのだが、やり方次第で現状の政治のスタイルを変えるのは、技術的にはさほど問題はないのでは、という思いに至った。そして、著者は1人の政治家にあらゆる問題を背負わせるのは無理があり、個別に各種問題をカバーするために、データ・アルゴリズムの活用を強調している。

結局は人間の感情次第のように感じる。日本では、選挙の時に手書きで書かせていたり、投票所に足を運ばせたりするが、あんなのも、デジタル化を推進していけば、すぐ済む話。22世紀までにこうしたこともクリアされれば良いが、現状では厳しいように感じる。これからの政治のあり方について、ライトに考える1冊として、今後の政治の入門書としても同書を読むことをお勧めしたい。

#書評 #政治 #成田悠輔 #データ #アルゴリズム