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子どもイヤイヤ期RPG

最近の日々
次男のイヤイヤ期の終わりが見えない。
少々私は疲弊気味だ。
体調や睡眠の質によって割と調子の良い日もあるが、果たしてこれはイヤイヤ期なのか…それともこの子の性格がひん曲がっているのか…実の親である私からそんな風に思われるなんて可哀想だが…、私は疲弊気味だ。
最近のイヤイヤは、「このタイミングで言われたら困ることランキング一位」を、絶妙な時と場を狙って繰り出してくるものだから、非常に攻撃性が高い。
その攻撃をかわして「逃げる」を選択しようものなら、鬼の形相で追いかけられ、また捕らわれ、再び「このタイミングで…一位」の呪文を唱えられる。というか、叫ばれる。
最近何かを常に案じながら、恐れながら、ビクビクして生きているな、と我に返るとやっと気がつくのだ。私は次男のイヤイヤにビビっているのだ。

魚肉ソーセージを開封する際、少しでもソーセージが削れてしまうと新品を要求される。削れたソーセージはすぐさま捨てろ、もしくは自分で食べろ、と仰る。
開けにくいから仕方ないじゃん。しかし、食べ物を粗末にするな云々カンヌン…と闘う気力はない。

さぁ出かけるぞ!靴下を履いて!というタイミングで、靴下を履く時にピンと伸ばした状態で履きたいと仰る。
つまさきをピンとして押さえてあげるから、と提案するも、押さえるのは嫌、重力によってくたっとする靴下が自然にピンと伸びないものか、と自然の道理から逸れた要求をされる。これは、どのように納得させたか記憶にない。

箸でごはんを食べたいと仰る。
正しい持ち方を教えてくれというので、喜んで教えるも、勝手に自己流に変えて中指を挟みすぎて「こんな痛いことさせるな」と怒られる。それからは補助付きの箸をトングのように使っている。たまに私が元気な時に、正しい持ち方のレクチャーを打診するが、「あの痛いやつ?無理。」と断られる。まだ闘う気力はない。

冷蔵庫の中身を盗み見て、瞬時に品切れしているものをインプットし、ないとわかっているのに「カルピスが飲みたい」「ゼリーが食べたい」と仰る。夕食の準備中にこのデュエルが始まると厄介で、こちらも余裕がないのでイライラしてくる。
「ない!見て!ないでしょ!!」「どうすりゃいいって!?今から買いに行けって!?」と声を荒げてしまう。
しかし「今から買いに行けって!?」の言葉を聞いて、静かに頷く次男。(ええ、そうしなさい、買いに行きなさい、だってないんですから、カルピス)が全て含まれた頷き。
きぇぇえええええーーーー

こうして毎日積み重なる次男とのデュエルに、疲弊しているのだ。
そんなRPGの途中、「僧侶」のような謎めいたキーワードを握る登場人物も突如現れる。
うちでいえば「長男」である。

冷蔵庫の中に、お歳暮でいただいたウェルチの小さな缶ジュースが一本あったのだ。
それを次男が飲みたがっていた。しかし一本しか無いため、平等に半分になるようにコップに分け、長男と次男に渡した。
次男は激怒して号泣した。
「ぼくが最初に飲みたいって言った。全部ぼくが飲みたいのに。」
次男が放出したヒントから、瞬時に次男が何に対して不満を感じたのか脳内リサーチを開始する。
なるほど…今回はコップは嫌で缶のままで飲みたかった…というわけではなく、分けたこと自体を怒っているようだ。
しかしうちのルールとして、「一つしか残っていないものを食べたり飲んだりする時は兄弟で半分こする」と決まっているので、その不満には対応できかねる。
テーブルには同じコップに同じ量が注がれたジュースが置かれ、テーブルの下には泣き喚く次男、私の隣にはやれやれと呆れ顔の長男。
最近大人になった長男は、次男のイヤイヤが面倒すぎて、そこまで欲しくないものはすぐに次男に譲ってくれる。今回も長男が譲ることになるのか…、さぁどうするのかこの兄弟…(他人事)と状況を見守っていると…。

長男が自分のコップを掴み、ぐいっと一気にジュースを飲んだ。

テーブルの下には泣き喚いたまま、状況の変化に気がつかない次男。
(えっ……飲んだ…今回は長男飲みたかったんだ…飲んだ…しかも一気に…ウケる…)と他人事の私。

しかしその後長男から発せられた言葉によって事態は急展開を迎える。

「(次男)ちゃん、見て。ぼくのジュースはないよ。(次男)ちゃんのジュースしかない。全部飲めるよ!」

テーブルの下から涙を拭きながら出てきた次男が目にしたのは、長男の空のコップと自分のジュースが注がれたコップ。

「やったー、全部飲める〜」

と呑気にご機嫌で次男が飲み始め、収拾がついた。
私は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていたと思う。え、今、何が起こったの…状態。
長男は50%50%のジュースを、飲み干すことによって0%100%にした…、え魔法使い?とんち?一休さん?
そうか、そういうことだ。このRPGは頭ごなしに「ダメ」を唱えても、「逃げる」を選択しても、どちらも先に進めないのだ。
いろんな登場人物から気付きを得て、何によって切り拓いていけるのか苦しみもがかなければ抜けられない…。
ありがとう「長男」、ひとつステージを抜けられそう。
私はこの先何十年経っても、この話を語り継いでいきたい、そう思ったのであった。

ぱくえみさんからのお題
お正月といえば

まだ一月だからセーフかな。
上田家新年会のようにインパクトのある正月行事は、これといってないんだけど…。
餅を食べる、これくらい。
地元の岩手のお雑煮は、醤油ベースでいくらをいれるので、名古屋出身の夫は最初驚いていた。
すまし汁というところは名古屋も一緒らしいが、いくらにね。
さらに岩手はお正月が近くなると、どこのスーパーでも「ねりくるみ」が売られる。
くるみ餅といえば、ねりくるみの味しか考えられないので、盛岡から両親に送ってもらっている。
くるみ味は多少塩味があると美味しく感じられるので、お雑煮に入っている餅を取り出し、わざわざねりくるみにつけて食べる、という方法もある。これは沿岸の方の食べ方だったかな。
とにかくケンミンショーなどで「餅好き岩手」と取り上げられるように、岩手県民はそこに住んでいるとあまり気付かないが、外に出てみると餅に対するこだわりが結構強いことがわかる。
うちの実家はお正月シーズンしか餅を食べない家なので、岩手県南に転校した時に小学3年生の友達から「今日おやつに餅食べよ」と誘われた時は驚いた。
「友達の家に持って行くおやつ」に「切り餅」が選択肢としてあることにとても驚いた。
もはやお正月の話ではなく、餅の話…。

次のお題は「バレンタインデーに関する話」にしよう。
昔の話でも、最近の子どもと過ごすバレンタインデーでも、大好きなチョコの話でも…。

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