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だからセカンドは本命彼女になれない|出会い方の重要性

「今は都合のいい女でも、いつかはきっと....」

自分は本命じゃない、セカンドだ。わかっているのにも関わらず呼ばれたら夜中でも駆けつけ、料理をし、お泊まりまでして「大丈夫。私だって愛されてる」なんて束の間の安心を得る...。

そういう恋愛をズルズルと続けてしまう女性はおそらく、セカンドと本命彼女の差を“愛情の量”だと捉えているのではないかと思います。

今、自分がセカンドにとどまっているのは愛情の量が足りないせいだと考えているから「もっと彼に尽くして、もっと愛されればいつかきっと...」と希望の光を見出してしまうんですよね。

けれど...もしそうじゃなかったとしたら?

男性にとってセカンドと本命彼女の差は、愛情の量ではなく質の違いなのではないでしょうか。

2014年にフジテレビで放送された大ヒットドラマ「失恋ショコラティエ」は、そんな男心をリアルに伝えてくれた作品でした。

【恋に効く】ダブルアールおすすめ作品Vol.5

失恋ショコラティエ(コミック)|水城せとな
失恋ショコラティエ(ドラマ)|2014年フジテレビにて放送

(あらすじ)
製菓学校に通う小動爽太(松本潤)は、高校時代に一目惚れした憧れの先輩・サエコ(石原さとみ)と念願かなって交際。さまざまな努力の末、クリスマス直前から付き合い始めた。しかし、バレンタイン当日、なんと爽太はサエコから「付き合っていたつもりはなかった」と言われてしまう。

サエコが大好きなチョコレートで彼女を振り向かせようと一念発起した爽太は単身フランスに渡り、修行を積んで一流のショコラティエに成長。しかし帰国して自分の店を持った爽太の前に再び現れたサエコは、すでにエリート男と結婚していた。

サエコに身も心も振り回される爽太の、一途な片想いの行方は...。

懐かしいですね...!小悪魔系あざと可愛いモテ女・サエコ...。

放送当時はサエコさんのモテ・テクであったり男性好みのファッションやメイクが大きくフィーチャーされていましたが、アラサー世代の恋愛をリアルすぎるほどリアルに切り込んだ良作でした。まさに恋愛の教科書!

主人公・爽太とサエコさんだけでなく、爽太のお店を手伝うザ・こじらせアラサーの薫子さん、フランス人王子・オリヴィエ、爽太の妹・マツリちゃんなど脇役陣の恋模様も必見。恋愛の本質とは何かを考えさせられるエピソードがこれでもかというほど詰め込まれています。

その中でも、最初からお互いに恋愛感情がありお似合いのカップルになれる可能性があったにもかかわらず、いわゆる“セフレ”として関係を始めてしまったエレナと爽太の顛末が印象的でした。

男女の関係は出会い方が9割

それぞれ片想いの相手がいる爽太とエレナは、報われず行き場のない感情や傷を舐め合う相手としてお互いの関係を深めていきます。

二人はとってもお似合いで客観的に見れば恋人同士にしか見えないし、次第に爽太もエレナもお互い特別な感情を抱いていることに気づいていくのですが...ようやく爽太が「きちんとしよう」と決意した夜に“サエコさんバスタオル1枚事件”が起きてしまうんですよね。

まあ、サエコさんがバスタオル1枚で目の前に現れたら仕方ないわ...と思う一方で(笑)、もしエレナと爽太の出会いが“セフレ”じゃなかったとしたら、きちんと順序を守っていたら、違う展開になっていた気もします。

大事な局面でそもそもサエコさんを家に上げなかったかもしれないし、そうすればバスタオル事件も起きずに済んだわけで。

作中で爽太の店を手伝うフランス人のオリヴィエが「冗談でも名前つけたら名前のとおりになるよね」と言うシーンがあるのですが、これは真理だと思います。

エレナを“セフレ”だと認めてしまったことで、爽太のエレナに対する愛情はサエコさんに対する愛情とは異質なものとしてカテゴライズされた。

それゆえ咄嗟の場面で蔑ろにしてもいい、と判断されてしまったのです。

だからセカンドは本命になれない

その後のふたりの顛末ですが、爽太は結局サエコさんとも破局し(というか、そもそも先のない不倫なんですが)完全フリーになります。でもだからってもう「エレナと付き合おう」とはならなかった。

エレナの方も「蔑ろにされた」「裏切られた」傷は消えるものではないし、自分はどこまでいっても本命彼女に昇格しないんだと痛感したのではないでしょうか。

ちなみにエレナはモデルの設定ですし、サエコさんより美人でスタイルも良い女性です。明るくて性格も愛らしく、爽太も作中で彼女の人間性を賞賛していました。

それでも結局、本命にはなれないんです。出会い方が“セフレ”だった。その1点が最後までつきまとう。

だから、セカンドになっちゃダメなんです!涙

「俺たち、セフレだよね」と口に出すか出さないかは別として(現実世界ではあえて口に出さない男性の方が多いでしょうね...)男性の中で「セカンドだ」とカテゴライズされてしまったら、どれだけ関係性が深まったとしても肝心なところで裏切られるし、本命ポジションの女性に負けます。

誰かと出会う瞬間は、たった1度だけ。大切にすべきです。

文 安本由佳 / 編集 山本理沙)  

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