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ぎっくり腰の症例

情報)

数日前に右腰の重さを感じ、マッサージとしてテニスボールを右の腰に当て、そのまま寝てしまった。

朝起きて、中腰姿勢をとると右腰に激痛が走った。

痛みの部位は右PSIS周囲である。


それからは、洗面時の前かがみ姿勢や前傾から戻すときに痛みが出現する。

痛みがでる前傾姿勢


しかし、前かがみ姿勢では、膝を伸展すると痛み、曲げると痛まない。

痛みが出る肢位  


痛みが出ない肢位


また、階段の上りで右下肢を振り出した時に痛みが生じる。これは速い振り出しで起こる。


他に、咳をするときや体幹の左右回旋で起こる。

特に、朝の起き掛けが最も痛み、夕方ころには痛みが軽減している。

Q) 原因は?

A)  全ての内容について説明できるものが原因である。

Q) それは?

A) 部位から仙腸関節のズレによる腸腰靭帯へのストレスを疑った。


Q) 全てが説明できるか?

A) その場合、前傾姿勢によるズレ、前傾から膝関節屈曲させることで大殿筋を優位にさせ胸腰筋膜を緊張して仙腸を安定させる。

寝ている間に動き仙腸がずれ、朝に痛みが生じる。

夕方には、仙腸関節周囲の筋の緊張で固定される。

咳では、仙腸がずれることで説明できる。

しかし、階段の下肢振り出し、体幹の左右回旋の痛みが、うまく説明できない。

Q) 他には?

A) PSIS周囲に付着する筋損傷である。

Q) 全てが説明できるか?

A) 手で示す痛み部位には起立筋が付着している。


前傾姿勢で起立筋使用、膝屈曲の前かがみでは大殿筋による胸腰筋膜が使用され、胸腰筋膜自身や、大殿筋・広背筋が胸腰筋膜でつながり広背筋による起立筋の代償ができる。

階段上りの下肢振り出しで骨盤引き上げに起立筋を使用し、速い動作ではより筋収縮を高める。

体幹の回旋では、同側回旋で収縮、対側回旋で筋の伸張が起こる。

咳で筋の緊張が高まる。

夜間、緊張を高めて損傷部位の修復を図ろうとし、朝になり、前かがみで、その緊張による筋短縮で筋を伸張あるいは、過収縮を起こさせる。夕方には仕事中の動作により緊張がほぐれ、伸張ストレスが軽減される。

Q) アプローチは?

A) 損傷が起こっていない起立筋の収縮を高め、損傷部位へ収縮ストレスを軽減させる。

Q) 何筋を行ったか?

A) 多裂筋の収縮を高めた。

Q) 何故、多裂筋を選択したのか?

A) 右多裂筋は萎縮があり作用の低下がみられた。また、収縮させても痛みが出なかった。

Q) 方法は?

A) 座位で下部腰椎を自動前弯させる。

このとき、右多裂筋の収縮を意識させて5分間実施した。

Q) 結果は?

A) 痛みは軽減した。


最後までお読み頂きましてありがとうございます。


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