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右背部痛の症例
情報)
右肩甲骨内側に鈍痛がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1720050858703-0Z63ZxPMqN.png)
痛みは1日中変化なくあるが、臥位では痛まない。
また、右肩関節外転90度で痛みが増す。
![](https://assets.st-note.com/img/1720050927262-dyuuPKAKI4.png)
右肩は脱臼の既往がある。
Q) どのように考えるか?
A) 指で示した部位の痛みが起こる組織として
筋(菱形筋、僧帽筋、起立筋群)、肋骨、胸椎、靭帯、関節(椎間関節、肋椎関節)、神経がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1720051140114-JOKOvTx8tC.png)
Q) どの組織か?
A) 鈍痛なので、筋、骨、関節包のいずれかが考えられる。
ここで、痛み部位への外傷などの既往がないので骨の可能性は低い。
関節包であれば脊柱の動きで痛みが変化するが、症例は1日中変化なく痛む。
よって、消去法で筋の可能性が浮上した。
Q) 筋とした場合、臥位で痛みの消失、肩関節外転による痛みの増加は説明できるか?
A) 僧帽筋、菱形筋、起立筋は座位や立位時で頭頸部や上肢を支えるために活動する。
臥位では、その必要がないので活動は低下する。
肩関節外転においては、上肢の重さによる肩甲骨の下方回旋や外転を押さえるために働く。
そこから僧帽筋と菱形筋のいずれかに絞られる。
また、この2筋は前鋸筋と共同で肩甲骨の動的安定化として働く。
Q) 評価では?
A) 触診で菱形筋上部の痛みが起こる部位に萎縮があった。
![](https://assets.st-note.com/img/1720051813645-K1W4kCNGN9.png)
Q) 何故、菱形筋の一部に萎縮があるのか?
A) 菱形筋は肩甲背神経だが、もしかすると既往にある肩脱臼時に、間接的な影響で末梢神経損傷を起こしたのかも知れない。
ここで、肩甲骨の動的安定化とした場合、前鋸筋の低下を代償したオーバー ユースも加担している可能性があるため、前鋸筋についても調べた。
Q) どうだったか?
A) MMTに問題なく、前鋸筋低下で見られる翼状肩甲も無かった。
Q) アプローチは?
A) 菱形筋の収縮を促し、筋力をアップさせる。
Q) 方法は?
A) 菱形筋の主な作用は肩甲骨の内転である。
また、菱形筋上部の収縮を促したいので、肩関節水平伸展の抵抗運動を行った。
方法は、壁に背を向けて、肩関節90度外転位、肘屈曲位から肘で壁を押すようにして、肩関節水平伸展方向に動かす。
すると、肩関節水平伸展を補おうと肩甲骨内転筋が活動する。
Q) 結果は?
A) 痛みは減少した。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
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