遊びを真剣に考えるからこそ、お客さまを楽しませることができる
BBQ場の運営・飲食提供だけにとどまらないヒーローのおもしろさに惹かれ、こどもの頃から大好きな“釣り”も扱う若洲アウトドアセンターで「釣りのことは任せる」という社長のことばにも後押しされ、入社を決意。
若洲は国内屈指の釣り人の往来を誇る釣り場であること、そこに会社として初めて釣具屋を新設すること、それをやる気 だけの新人に任せ、経験豊富で偉い人達がそれを支えてくれる。ある意味とんでもない会社だと思った反面、こんなチャレンジをさせてくれる会社は他にはないと全力で取り組むことができたと言う。「いついかなる時も釣り事業をヒーローの第二の柱にしようと画策してます(笑)」と、エネルギッシュに働く金丸さんに、お仕事の魅力を伺いました。
<R.projectグループのBBQ事業を担う、株式会社ヒーローとは?>
地域性や環境に合わせて会場に適したスタイルで、都市公園や商業施設、駅ビル屋上を活用したバーベキュー場、デイキャンプの管理・運営を行っています。
また、アウトドアにスポットをあてた各種イベントの開催や、「手ぶらでBBQ」などのサービス提供で、アウトドア未経験者や潜在層にも接点を作り、手軽に体験できるアウトドアレジャー&レクリエーションの機会を通じて、アウトドアファンの裾野を広げることを使命としています。
現在、首都圏で直営施設6店舗とグループ施設8店舗、合計14店舗の運営を行なっています。
━━入社のきっかけは?
金丸:転職を検討していた頃、電気関係の資格を活かした仕事やお声がけいただいたところもあったんですけど、アルバイトをしながら少しゆっくり検討しようと思って、ヒーローでアルバイトを始めたことがターニングポイントです。スキー場のイベントやアウトドア教室、ケータリングサービスなど、とにかく幅広く取り組んでいて、それをやり過ぎるくらい全力でやるところに興味を持ちました。ほんと、飽きない会社だなと。海釣りや焚火クラブのイベントを扱う若洲アウトドアセンターで、当時の社長や現社長から「若洲で釣りのことを任せるから社員にならないか」と言われたときは、すぐに決められなくて悩んだんですけど、上司の「遊びを真剣に考えろ」のことばに、仕事として楽しんで良いんだと思ったこともあって決断しました。
━━会社の雰囲気や環境はどうですか?
金丸:入社した当初と今では雰囲気も人も変わっていますけど、上層部が変わっていないこと、遊びを知る、遊びを真剣に考える、興味を持ったことに対してまずは経験をすることを後押ししてくれる、寛容な会社という部分は変わりません。お客さまを笑顔にするには自分たちが楽しいと思えることが大切で、それを実践できる楽しい会社です。
━━アルバイトから正社員になって、感じたギャップはありますか?
金丸:アルバイト時代から、上層部の方々ともご一緒する機会も多かったのと、自分の考えを伝えることもできていたこともあったので、正社員になったからというギャップはなかったです。当然正社員に対して求められることは変わるので、個人の主体性や積極性の有無によって、皆さん感じ方が違うかもしれませんが(笑)。
━━どんな仕事を担当していますか?
金丸:エリアマネージャーの業務サポートや、アウトドアギアの購買担当としては、新店舗の開業準備をはじめ、既存施設の状況に合わせて必要な機材を選定・手配をするために各メーカーさんとの交渉をしています。また、燃焼器材の使い方といった講習や研修をすることもあります。
後は、若洲アウトドアセンターと、フィッシングストアのマネージャーも兼務しています。
━━若洲アウトドアセンター・フィッシングストアはどんな店舗ですか?
金丸:BBQもキャンプもできるアウトドアフィールド全般を担う店舗で、且つ釣り具の販売も行っています。若洲公園は釣り施設だけで年間30~40万人のお客さまが来場していて、初心者の方も比較的多いんです。また、公園にサイクリング等で来られる方が釣りもやりたくなったというケースもあって、釣り具のレンタルは多い日で300件ほどあります。レンタルされるのは初心者の方がほとんどなので、釣り方含めイチから説明をしています。恐らく釣り具の説明は日本一やってるんじゃないか?と思ってます(笑)
━━若洲では何が釣れるんでしょう?
金丸:季節によっても違いますけど、イワシやサッパ(ママカリ)、サバ、アジは比較的長い期間釣れます。後は、荒川の河口域なので天候の影響を受けて淡水が混ざると、イワシとかはいなくなるので、イシモチやキスを狙えるような釣り方を案内しています。ちなみに、これまで若洲で釣れたスズキで一番大きなものだと1m4cmはあったと記憶してます。
━━1日の仕事の流れは?
金丸:まずは、天気やフィールド状況の確認をして、レンタル予約内容確認と準備、ストアの品出し等を行ないます。お店がオープンしてから午前中は、ほとんどレンタルご予約のお客さまの対応をしています。その後、フィールドに行って、お客さまが張ったタープのチェック等の巡回をします。午後の遅い時間になると、レンタル品の返却対応、ギアのメンテナンス、ストアの閉店作業が終わると事務仕事をする…概ねこんな感じですけど、状況によって変わります。
若洲は他の店舗とはスタイルが違っているので、他の店舗の流れとはちょっと違うと思います。
━━社内コミュニケーションはどのように行っていますか?
金丸:メールやチャットワークがほとんどですが、屋外での業務が多いのでモバイルでできる環境になっています。もちろん状況等を踏まえたうえで、にはなりますが、立場や環境の壁はそれほどなく、上層部に対してもコンタクトのしやすい会社だと思います。
会社全体では、月に一度はPC持参のアウトドアミーティングと、レクリエーションとしてのフィールドミーティングがあって、釣りや登山から雪山のキャンプまで、いろんなテーマでやっています。それが、スタッフ間のコミュニケーションだけでなく、体験したこと、楽しいことをお客さまに提供していくことにも繋がっています。
━━仕事の面白さややりがいはどんな時に感じますか?
金丸:やりがいはたくさんあります。キャンプや釣りのことは、初心者の方から玄人の方まで対応していますので、何を聞かれても答えられる自信はあります。店舗のサービス以外のことでも解決方法を提案することはできるので、ちょっとしたトラブル時に頼りになる存在として、お客様に評価いただけることは、ありがたいですし、うれしいです。そこでお客さまにも笑顔が生まれると、これまで仕事をやってきた甲斐を感じます。
━━これまでの仕事で印象に残っている成果・成功のエピソードは?
金丸:ひとつは、若洲でのフィッシングストアの立ち上げです。もうひとつは、「焚火クラブ」を玄人向けのイベントとして突き詰めるのか、より裾野を広げてメジャーなイベントとするのかという話がありました。出店招致担当として多数のメーカー・ブランドとコンタクトし、2018年に多くの方の強力を経てイベントをリニューアル、メジャーイベントして恥じない2000人規模の開催ができたことは印象深い出来事でした。
━━反対に苦労したエピソードは?
金丸:コロナですね。休業や制限は直接的に売り上げに響きました。また委託運営の事業が多いので、事業継続の決裁権がないことや、補償をもらうためのエビデンスも出しづらかったので。
後は、このタイミングのキャンプブームで注目されたスタイルが、お客さまの消費行動にも関係して、厳しい営業状況が続きました。
そういったことも踏まえて、今後はアウトドアのコンビニ化というか、ここに来れば何とかなるといった頼れる店舗を目指して挑戦中です。
━━ご自身のキャリアアップのために何かやっていることは?
金丸:キャリアアップというよりは、必要に迫られて…なんですけど、外国のお客様が多くなってきているので、英語力を高めたいと思っています。まずは目の前のお客さまへのサービス向上を目指したいです。
━━今後やってみたいことは?
金丸:入社のきっかけにもなった「釣り」をひとつの事業に育てあげたいです。新店舗の話があるたびに、「川はありますか?」とか聞いてみたりして、いつも虎視眈々と機会を狙ってます(笑)。
━━趣味や夢中になっているものは?
金丸:釣りはこどもの頃からずっとやっているので、通勤でもタモや釣り竿を持って、行き帰りも釣りをしているので趣味というより生活の一部みたいなイメージなんですよね。
後は、歴史が好きで、国際ニュースも良く見ているんですけど、稀にアウトドアにも活かされる情報もあります。ダッチオーブンのようにもともとは軍隊で使われていたものであったり、人の命を繋ぐためのテントの形状の話であったり、アウトドアギアの歴史的な背景やルーツには興味が尽きません。お客様にお話しするときについつい熱く語ってしまうこともあります(笑)。
━━仕事とプライベートを両立させるコツはありますか?
金丸:例えば、釣りはお客さまの前だと「釣れなければいけない」というプレッシャーを感じていたころ、釣りを嫌いになりそうになったこともありました。ただ、経験値が上がってくると、それを笑いにできるスキルがついて、失敗を重ねるからこそできる対応が増えてきたと思います。趣味が仕事になっているので、両立というよりは趣味を仕事にすることによるリスクが消えてきた、という話ですが…仕事が趣味に活きて、趣味も仕事に活きてくれています。
━━最後にご自身の仕事・働き方で大切にしていることは?
金丸:「遊びを真剣に考える」です。最初にお話ししたとおり、ヒーローで働き始めた当初の上司のことばですが、何かをするときは、今でもずっと大切にしていますし、後輩たちにも話をしています。
もちろん仕事と趣味は違う、という考えを理解していることが大事で、そのうえで自分が楽しいと思うことをお客さまに提供していきたいと思っています。
<編集後記>
仕事には大変なことや辛いことがつきもの。それがゆえに好きを仕事にするには、悩みや葛藤を抱えることはあると思います。金丸さんにもそんなふうに悩んだ時期があったそう。ただ、その葛藤や悩みを乗り越えるのにも好きという気持ちが大きな支えになってくれることもあるんだと感じました。
ヒーローのテーマカラーであるオレンジは、自然のなかでのトラブル等が生じた際やいざというときのエマージェンシー対応をスムーズに行えるようにするため。金丸さんは、豊富な経験と知識で、どんな些細なことにも応えてくれる頼れる存在という点でも、オレンジのユニフォームがぴったりな方でした。
取材・文:j.funakoshi
取材日 :Jun.2023
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