#137 グーテンベルクも驚き!?CNFで印刷!
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
面白いニュースリリースをご紹介!
今回は、面白い記事を発見しましたので、そちらを取り上げていきたいと思います!
今回ご紹介する記事は、日本製紙グループが6/20に発表したニュースリリースです。
一旦、記事の内容をご紹介したいと思います。
簡単に言うと、“3Dプリンターの材料として、日本製紙が開発したCNF強化樹脂の「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」が使われました。”という記事です。
PBF方式の3Dプリンターとは?
3Dプリンターには色んなタイプがありますが、今回のニュースリリースで挙がっていたのは、PBF(Powder Bed Fusion/粉末床溶融結合)方式と言われるタイプの3Dプリンターです。
これは、粉末状の素材にレーザー光線を照射して固めるというやり方で印刷していきます。
特徴としては、複雑な形状のモノ、耐久性の高いモノをつくるのが得意なことです。
ただし、粉っぽいザラザラとした仕上がりになるといったデメリットもあるようです。
材料には、「ナイロン」が使われることが多いようです。
「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」とは?
そんなPBF方式の3Dプリンターに、日本製紙グループの「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」が使われるということです。
「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」が何かわからないですよね。
「そもそも「cellenpia®」が分からんのに、勝手にプラスせんといて」という皆さんの声が聞こえてきましたので、説明させていただきます。
まず、「cellenpia®」は、日本製紙グループが生産・販売しているCNF(セルロースナノファイバー)です。
CNFについては、過去にも取り上げていますので、説明不要ですよね。
で、今回出てきたのは「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」です。
簡単に言うと、もともとあった「cellenpia®」を、ポリプロピレンとかナイロンの樹脂と混ぜて、強くしたやつです。
こうすることで、車、建材、家電などの強度が必要になるものにも応用できるらしいです。
いわゆる、CNFが混ざっている分、プラスチック削減に繋がって、環境にやさしい素材でしょ?という訳です。
まとめ
さて、これで全容が分かったかと思います。
これまで、PBF方式の3Dプリンターでは、「ナイロン」が使われていたわけですが、今回、「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」が使うことが出来るようになりました。
もちろん、コスト的な部分は課題がありそうに思いますが、少なくとも、環境負荷を考えると、「ナイロン」より「cellenpia®PLAS (セレンピア®プラス)」の方に分がありそうですよね。
それから、CNFは紙の原材料となるセルロース繊維です。
ついに紙の原材料のセルロース繊維で印刷をする時代が来ましたよ。
さすがに、グーテンベルクもビックリだと思います。
(グーテンベルク)「紙の原料で印刷、スゴイネ!」と言っていると思います。
という訳で、今回は以上となります。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?