#177 環境に優しい注目の素材「グリーンコンポジット」
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
和紙と生分解性プラの複合材を開発
はい、という訳で、今回は面白そうな記事を発見しましたので、そちらをご紹介していきたいと思います。
MONOist 2024年5月30日の記事です。
とのことです。
「東北大学が、和紙3層と、生分解性プラスチックのPBS2層でできたシート状のものを作成し、和紙単体と比較して2倍の強度になった。」という内容でしたね。
グリーンコンポジットとは?
それから、記事の中で「グリーンコンポジット」というキーワードが出てきましたね。
グリーン・・・環境にやさしい
コンポジット・・・混合物
つまり、日本語に訳すと「環境にやさしい複合材料」となります。
今回の例で言うと、「和紙」と「生分解性プラスチック」という環境にやさしい2つの複合材料ということになります。
グリーンコンポジットは、今回みたいな感じで、「天然繊維」と「バイオベースの樹脂」の掛け合わせで作られることが多いです。
例えば、「麻の繊維」と「ポリ乳酸」みたいな感じです。
これまでだと、石油由来のプラスチックとか合成樹脂が主流でしたが、最近は環境負荷が大きいということで、こういったグリーンコンポジットにも注目が集まっているんです。
課題もある
環境とか人の健康にいい影響を与える一方で、課題もあります。
まず、生産コストが高い。
やはり、量産となった場合、新しい生産方法で作られることが殆どですから、初期投資も必要ですし、仮に設備を導入できたとしても従来の石油由来のプラスチックとか合成樹脂に比べて高くなることが多いのが現状です。
ただし、高くても環境にいいものを買うという意識は徐々に高まっている傾向はあるので、ここはある程度はクリアできそうですね。
そして、もう一つの課題が、機能性。
やはり、天然繊維のコンポジットは、ガラス繊維とかと比較すると強度が劣ります。
環境にいいとはいえ、例えば、自動車みたいに、安全性が必須となるものでは採用が難しくなりますよね。
注目の素材「グリーンコンポジット」
こういった課題もありますが、やはり、欧州を中心に石油製品からの脱却はどんどん進んでいます。
そうした時に、グリーンコンポジットが代替素材として候補に挙がってくるのは自然なことですよね。
実際に注目は集まっています。
これから研究も進んで、色んなグリーンコンポジットが生まれていくことでしょう。
注目の素材ですね。
はい、という訳で、今回はグリーンコンポジットについて解説してきました。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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