#147 紙・板紙需給速報 2023年9月
『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。
紙・板紙需給速報 2023年9月
さて、本日は、「紙・板紙需給速報」の回です。
今回も、日本製紙連合会さんの統計資料を基に、見ていきたいと思います。
それでは、「生産」・「出荷」の順に見ていきましょう。
まずは、2023年9月の「生産」です。
続いて、「出荷」です。
生産・出荷ともに軒並みマイナスという結果となりました。
紙・板紙需給速報 2023年1月~9月累計
続いて、今年の年初(1月)から9月にかけての累計の数字も見ていきたいと思います。
それでは、「生産」・「出荷」の順に見ていきましょう。
まずは、2023年1~9月の「生産」です。
続いて、「出荷」です。
こちらも、生産・出荷ともに軒並みマイナスです。
主要品種
それでは、主要品種の出荷量について、詳しく見ていきましょう。
こちらは、9月の単月の実績です。
まずは、新聞用紙。
新聞用紙の国内出荷は、前年同月比8.3%減で、28か月連続のマイナスです。
続いて、印刷・情報用紙。
印刷・情報用紙の国内出荷は、前年同月比10.2%減で、13か月連続のマイナスです。
続いて、包装用紙。
包装用紙の国内出荷は、前年同月比15.4%減で、10か月連続のマイナスです。
続いて、段ボール。
段ボールの国内出荷は、前年同月比8.3%減で、4か月連続のマイナスです。
最後に、衛生用紙。
衛生用紙の国内出荷は、前年同月比3.6%減で、2か月連続のマイナスです。
考察
「デジタル化」というキーワードは、この番組内でも何度も挙げていますが、この「紙・板紙需給速報」を見るたびに、思い知らされますね。
特に、新聞用紙は28か月連続のマイナス、印刷・情報用紙は13か月連続のマイナスです。
値上の影響も大きいでしょう。
日本経済新聞が発表している「紙・板紙 東京代理店卸価格」によると、2023年7月期で、上質紙の価格が前年同月比137.7%、アート紙の価格が前年同月比137.4%など、大きな値上がりをしていることが分かります。
このような需給の減少が続く中、製紙各社の状況はというと、大手4社(王子ホールディングス、日本製紙、レンゴー、大王製紙)の第1四半期決算は、何れの企業も「増収増益」となっております。
何れの企業も「値上の影響が大きい」とコメントしています。
各社とも、物価高の製品への転嫁はひと段落ですが、今後は、紙の需要減とどう向き合っていくか、注目です。
という訳で、今回は2023年9月度の紙・板紙需給速報をお届けしました。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
▼参考資料
『紙・板紙需給速報』(出典:日本製紙連合会)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?