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『稲盛和夫一日一言』 3月31日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3月31日(日)は、「人生は素晴らしい」です。

ポイント:自分の人生は、素晴らしく明るいと信じて、困難、苦労、苦難にもめげず、未来を明るく描いていく。そのような姿勢こそが、人生をひらいていく。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、自分の人生に向き合う姿勢について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人生は素晴らしく、希望に満ちたものです。常に、「私には素晴らしい人生がひらかれてる」と思い続けることが大切です。

 どんな逆境にあっても、どんなに辛くても、常に明るい気持ちで理想を掲げ、希望を満ち続けながら、一生懸命努力を重ねていく。
 決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちを持ったり、ましてや人を恨んだり、憎んだり、妬(ねた)んだりしてはいけません。なぜなら、そういう思いを持つこと自体が、人生を暗くするからです。

 自分の未来に希望を抱いて、明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くための第一条件です。
 不思議なことですが、人生がうまくいっている人は、必ず明るい心を持っています。心根が暗く、不平不満ばかりこぼしているようでは、決して素晴らしい人生を歩くことはできません。

 もちろん、誰にも負けない努力をするという「根性」は必要です。そのうえで、自分の未来、自分の人生はきっと素晴らしい幸運に恵まれているはずだと信じることが必要なのです。

 けれども、自分の未来は幸運に満ちている、自分には素晴らしい人生が待っていると思いなさいと言われても、この先何が起こるかもわからないのに、そんなおめでたいことが思えるか、と考える人もいるかもしれません。

 しかし、そうではないのです。誰にでも明るい人生がひらかれている、そのことをただ信じて、誰にも負けないような努力を重ねていけば、素晴らしい未来が待っているはずです。

 要は信じるか信じないかの問題なのです。自分の人生は素晴らしく明るいと信じて、困難、苦労、苦難にめげず、未来を明るく描いていく。
 厳しい現実の中で、つい負けそうになる自分を励ましながら、明るく振る舞っていく。そのような前向きな姿勢が、人生をひらいていくのです。

 そのためには、たとえどんなことがあろうとも、物事をいいほうに解釈する努力が必要です。悪いほうに受け取っていたのでは、人生はどんどん暗くなります。仮に相手が自分に対して悪意を持って何かをしかけようとも、「あの人はバカじゃないだろうか」と疑われるくらい、ニコニコしながら受け流す。
 そんなあなたを見て、「あの人はよほどのバカだよ。あそこまで怒らなくてどうするのだ」と見下す人もいるかもしれませんが、そういう下らない悪口などは気にせず、笑い飛ばしておきましょう。

 子どものころの私はガキ大将で、負けん気が強いほうでしたから、よく喧嘩をしていました。
 しかし、次第に喧嘩ばかりしている自分はダメな人間だと思う気持ちが勝っていて、些細なことにいちいち腹を立てるのではなく、たとえ相手が悪意をもって何か言ってきたとしても、それを笑い飛ばせるだけの人間性を身につけようと思うようになりました。

 世の中の現象はすべて、自分の心が招くものです。暗く、拗(す)ねた心でおくる人生は、ろくなものではありません。
 その意味からも、物事を明るく善意に取って毎日を過ごすということは、非常に大切なことなのです。
(要約)

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、人生における心の持ち方について、名誉会長は次のように説かれています。

 たしかに運命というものは、私たちの生のうちに厳然として存在しています。しかし、それは人間の力ではどうにも抗(あらが)いがたい「宿命」なのではなく、心のありようによっていかようにも変えていけるものです。

 運命を変えていくものは、ただ一つ私たちの心であり、人生は自分でつくるものです。東洋思想では、それを「立命」と言う言葉で表現しています。

 思いという絵の具によって、人生のキャンパスにはその人だけの絵が描かれます。だからこそ、あなたの心の様相次第で、人生の色彩はいかようにも変わっていくのです。(要約)

 人生は心の持ち方次第だと言われても、苦難に直面したり、日々生きていくことにいっぱいいっぱいで、心に余裕を持つなんてできないと感じている人たちにとっては、無理な話としか聞こえないかもしれません。

 しかし、きっとどこかに人生の転機となる瞬間が待ち受けているはずです。そうしたとき、「今まではそうではなかったかもしれないけれども、これからの自分には素晴らしい人生が待ち受けているはずだ」と信じることができるかどうかで、その後の人生はまったく変わってくるはずです。

 「常に明るく自分の未来に希望を抱いて、積極的に人生を歩んでいく」
 前期高齢者の私ですが、まだまだ自分にはそうした人生がひらけているはずだと信じて、毎日をアグレッシブに生きていきたいと思っています。


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