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『稲盛和夫一日一言』1/17(火)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/17(火)は、「人を動かすもの」です。

ポイント:人を動かす原動力はただ一つ公平無私であること。無私の心を持ったリーダーでなければ部下はついてこない。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、公私のけじめをつけることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 仕事をしていくうえでは、公私のけじめをはっきりつけなければなりません。プライベートなことを勤務時間中に持ち込んだり、仕事上の立場を利用して取引先の接待を受けたりすることは厳につつしまなければなりません。
 勤務時間中の使用電話の受発信を禁止したり、仕事を通じてのいただきものを個人のものとせず、みんなで分け合っているのもそのためです。

 これは、ささいな公私混同でもモラルの低下を引き起こし、ついには会社全体を毒することになってしまうからです。
 私たちは公私のけじめをきちんとつけ、日常のちょっとした心の緩みに対しても、自らを厳しく律していかなければなりません。(一部抜粋)

 京セラでは、「勤務時間中は必死に真剣に仕事をしましょう」ということで、公私のけじめをつけることが厳しく求められます。
 それは、人間として一番低俗な「卑しい人間」を育ててしまわないためです。けじめが緩くなれば、「これが許されるならあれも大丈夫だろう」というふうに際限なく公私混同が起こってしまう恐れがあります。

 例えば、私の働いていた職場では、お客様やお取引先からの頂き物については必ず職場の上長に報告し、その内容に応じてお礼状やメールで謝意を伝えます。いただいたものについては、管理台帳に記入し、お菓子など配れるものは、賞味期限に配慮しながら部署単位で順番に配布、分割できないものは、各種イベントや忘年会といった全体行事が行われる際の記念品などに活用していました。

 どんな些細なことであっても、仕事上の「役得」にしない、職務上の立場を利用して個人的にうまい汁をすうことが習い性とならないよう徹底する。
 そこには、「人間というものは、どんなにルールを厳しくしても、自分の欲望を満足させるためには、仕事上の立場さえ利用しかねないものだ」という名誉会長の実感が反映されています。

 会社の立場を利用して個人的に利益を得るということは、一緒に働く仲間に対する「背信行為」です。心をベースとした経営を目指し、社員同士の結びつきを大切にする京セラでは、そうした観点から「公私のけじめ」は非常に大事にものととらえられているわけです。

 今日の一言には「人を動かす原動力は、ただ一つ公平無私ということです」とあります。無私というのは、「自分の利益を図る心がない、あるいは自分の好みや情実で判断しない」ということです。
 無私の心を持っているリーダーならば部下はついてくる。裏返せば、卑しい心を持ったリーダーには部下はついてこない、ということです。

「人を動かす原動力は、ただ一つ公平無私ということ」
 自身の心掛けを日々新たにさせてくれる一言ではないでしょうか!


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