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『稲盛和夫一日一言』 7/9(日)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/9(日)は、「尺取り虫」です。

ポイント:人生の歩みの中には、楽をしてひとっ飛びできるようなジェット機などはない。一歩一歩を尺取り虫のように進んでいく、それが偉大なことにチャレンジするときに持っておくべき姿勢。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、地味な努力を積み重ねることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 私は、地味な努力を積み重ねることを大変重要にとらえています。どんなに偉大なことも、地味な一歩一歩の努力を積み重ねることでしか達成できません。人生においては、簡単に目的地に着けるジェット機のような乗り物はないのです。地味な歩みを続けていくしかありません。

 そうとは分かっていても、私たちは、自分の描く目標と現実との間に大きな隔たりを感じ、「地味な仕事を毎日コツコツとやっているようでは、どうにもならないのではないか。こんなことで、本当に夢を実現することができるのだろうか」と焦ってしまうものです。

 私自身、実際にそうやって悩みました。会社をもっと立派にしたい、でも今やっていることは、目の前に横たわる問題を一つ一つ片づけていくという非常に地味な仕事の繰り返し、来る日も来る日もこんなことをやっていたんでは、会社を大きくできるわけがないと、思い悩んでいたのです。

 まさにそれは、賽(さい)の河原の石積みのように、一つ積んではまた次の石を積む、という地味な作業の積み重ねです。しかし、それを繰り返していれば、やがて周りに部下や同僚が集まってきます。その人たちにも一つずつ積んでいってもらい、また彼らの部下にも積んでもらう。
 そうすると、会社が大きくなっていくにしたがって、末広がりに仲間が増えていき、積む石は一つ一つずつでも、同時に百人、いや千人が積むということになっていくのです。

 一人がやれる仕事というのは知れていますが、大勢が一致団結して取り組むことによって、またそれを続けていくことで、やがて偉大なことを成し遂げる、そのことに私は気がつきました。(要約)

 今日の一言には、「夢を実現するための手っ取り早い手段や近道があると思うなど、とんでもないこと」とあります。

 地味な仕事を毎日毎日繰り返していると、飽きてきてだんだん嫌になってきます。名誉会長は、飽きないようにするための方法として、今日よりは明日、明日よりは明後日と、必ず改良改善を加えていくという「創意工夫を繰り返す」という方法を思いつき、同時にそれが地味な努力を加速させるということにも気づかされたと言われています。

 2022年発刊の『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(致知出版社)7月9日欄で、経済・経営ジャーナリスト 桑原晃弥(くわばらてるや)さんは、エジソンの研究に対する姿勢について、次のように述べられています。

 「失敗などしていない。うまくいかない方法を一万通り見つけただけだ」「楽な道を歩もうとする人は多い。そんな人には平凡な結果しか待っていない」というエジソンの言葉があります。
 実験に次ぐ実験で、大量の時間と資金が費消されても、エジソンは決して弱気になることはありませんでした。
 「翌日になると、朗らかな少年のように喜びに溢れて同じ実験を始め、皆の元気を奮い立たせた」「困難が起こったときには、いつも彼(エジソン)の偉大さが分かった」という研究員たちの言葉からは、困難を極めるなか、嬉々として研究に臨むエジソンの姿が浮かんできます。
 しかし、またエジソンは「狙いのない試行錯誤はしない」とも言っています。方向性さえ正しければ必ず成功に至るという確信を持ち、その豊富な知識、徹底した準備と実行の繰り返しこそが彼を成功へと導いたのです。
(要約)

 今さら偉大なことなどできるはずがないと内心思ってはいても、自分のささやかな夢や目の前にある目標の達成に向けて、自分は地味ながらも日々歩みを進めているのだという矜持だけは持ち続けていきたいと思っています。


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