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『稲盛和夫一日一言』 8月22日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 8月22日(火)は、「宇宙の福を受ける」です。

ポイント:利他の思いを常に抱き、感謝しながら生きている人は、必ず宇宙のラッキーを受けることができる。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、「宇宙の意志」というものの存在について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 お釈迦様は、私たちの心というものについて、次のように表現されておられます。
 「心が濁ると、我々が歩む人生は平らでなくなり、そのために倒れてしまうだろう。一方、心が清らかであれば、人生は平らになり、安らかに生きることができるだろう」

 これは経営にも当てはまることで、心が清らかであれば、経営は安定したものになります。心を高めるということは、心をよき方向へと導いていく、心を美しくしていくことであり、それが人生や経営を好転させていくもととなるのです。

 では、なぜ心が清らかであれば人生はうまくいくのでしょうか。それは、そのような美しい心が「宇宙の意志」と調和するからです。
 しかしお釈迦様のように言われても、理屈っぽい現代人にはなかなか理解できません。私自身もよくは理解できなかったのですが、あるとき、宇宙には「宇宙の意志」と呼べるものがあるのではないかと考え始めたのです。

 元々この宇宙は、一握りの素粒子から始まったとされていますが、それは今なお一瞬たりとも留まることなく現在に至っています。
 そこにある森羅万象あらゆるものを進化発展させる方向へともたらそうとする流れ、もしくはあたかも神の意志のようなものが、この宇宙空間には偏在しているのです。

 だから、「私はもう進歩しなくても結構」とか、「ウチの会社はもう伸びなくてもいい」と考えても、「この宇宙はそうはさせてくれない」「どんな会社であろうとも伸びるのだ」と言わんばかりに、すべての生きとし生けるものを進歩発展させる方向へ進めていこうとするはずです。

 宗教家は「宇宙には愛が充満している」と言い、仏教では「慈悲の心があまねく存在している」と表現しますが、それらはどちらも同じ意味で、この宇宙には、すべてのものを進化発展させる方向へと導くような意志があるということなのです。

 宇宙に流れている意志とは、すべてのものを慈しみ、すべてのものを愛し、すべてのものを良くしてあげたい、という思いであり、自分だけが良くなろうとする利己的な意志の対極にあるものです。ですから、私たちは宇宙に存在する森羅万象あらゆるものを一方的に良くしてあげたいという愛の流れと調和する、同調する心を持っていなければならないのです。(要約)

 今日の一言にあるように、「利他の思いを常に抱き、感謝しながら生きている人は、必ず宇宙のラッキーを受けることができる」と言われても、ほとんどの人は、何だそれ?と感じるのではないでしょうか。

 かくいう私も、社内研修で今回紹介した京セラフィロソフィ「『宇宙の意志』と調和する心」について学んだとき、本当に宇宙にそんな流れがあるのか、という疑問しか浮かばなかったのを覚えています。

 しかしその後、「自利・利他」、あるいは「六つの精進ー善行、利他行を積む」といったフィロソフィ項目を通して、「利己的な思いが強過ぎると、美しい心は表に出てこなくなる。利己的な思いを抑え、利他の心を持って世のため人のために尽くすことで、私たちの心はさらに美しく、純粋なものになっていく」ということを学びました。

 「積善の家に余慶あり」「情けは人のためならず」
 馬鹿正直に善行を積むこと、つまり、世のため人のために一生懸命利他行に務めること。そうした思いや行為が私たちの人生をさらによい方向へと向けていく唯一の方法だと信じて、今日も精進したいものです。


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