『稲盛和夫一日一言』 6/9(金)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/9(金)は、「好きこそものの上手なれ」です。
ポイント:「好き」であれば、自然に意欲も湧いてきて努力もするので、最短距離で上達していく。「好き」こそが最大のモチベーションであり、ひいては成功への道筋となる。
2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、「好き」であればこそ「燃える」人間になれる、として、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
ものには、火を近づけても燃えない不燃性のもの、火を近づけると燃え上がる可燃性のもの、自分で勝手に燃え上がる自燃性のもの、の三つがあります。人間のタイプも同じで、物事をなすのは、自ら燃え上がり、さらにそのエネルギーを周囲にも分け与えられる「自燃性」の人間でなくてはなりません。
それは、他人から言われて仕事をする、また命令を待って初めて動き出すというような人ではありません。促されたり指示される前に、自ら率先して動き出し、周囲の人間の模範となる、そうした能動性や積極性に富んでいる人のことです。
では、自ら燃え上がることのできる「自燃性」の体質を獲得するにはどうしたらいいのでしょうか。そのための最大にして最良の方法は、「仕事を好きになる」ことです。
物事をなし遂げるには、たいへんなエネルギーが必要です。そしてそのエネルギーは、自分自身を励まし、燃え上がらせることで起こってきます。
どんなことであっても、それに全力で打ち込んでやり遂げれば、大きな達成感と自信が生まれ、また次の目標へ挑戦しようとする意欲が生まれてきます。そうすれば、どんな努力も苦にならなくなり、素晴らしい成果を上げることができるようになるのです。
つまり、「好き」こそが最大のモチベーションであり、意欲も努力も、ひいては成功への道筋も、みんな「好き」であることがその母体になる。
「好きこそものの上手なれ」と言い習わされてきたとおり、好きであれば、自然に意欲もわくし努力もするので、最短距離で上達していく。人から見ればたいへんな苦労も、本人には苦どころか、楽しみとなるのです。(要約)
今日の一言は、昨日の一言「好きなればこそ」と同様、まさに「惚れて通えば千里も一里」の世界です。これは、何も恋愛や仕事に限った話ではありません。
以下、2017年発刊のベストセラー『定年後 - 50歳からの生き方、終わり方』 (楠木 新著 中公新書)を紹介します。
【要約】
社会と密接に関わってきた人も、組織を離れてしまうと、仕事や仲間を失って孤立しかねない。お金や健康、時間のゆとりだけでは問題は解決しない。家族や地域社会との良好な関係も重要だ。
第二の人生をどう充実させたらよいのか。シニア社員、定年退職者、地域で活動する人たちへの取材を通じ、定年後に待ち受ける「現実」を明らかにし、真に豊かに生きるためのヒントを提示する。
私も2016年3月に60歳定年を迎え、引き続きシニア社員として京セラで勤務を継続する道を選択しました。しかしながら、5年のシニア期間満了まで勤める気はさらさらなく、長くても2~3年で見切りをつけて、何か新しいことでも始めたいなと漠然と考えていた時期に、この著書を手にしました。
その中で楠木さんは、読者に向けて次のように提案されています。
定年退職後に何をすればいいのか、何を張り合いにして生きればいいのかがわからない、という人は少なくない。そんなときは、「子どもの頃、好きだったこと」や「なりたかったもの」を思い出すと、展望が開けるかもしれない。(要約)
つまるところ、「自分の心が呼ばないものには興味も湧かないし、たとえ始めたとしても長続きはしないよ」ということだと思います。
この感覚は、自分が歩んできた人生の中で、やっていることも忘れてしまうほどそのことに没頭したという経験がひとつでもあれば理解できるでしょう。
年齢もキャリアも関係ない。たった今自分の心が呼ぶものに没頭する。そうすることで、心の底から喜びの感情が湧き上がってくるようであれば、これからの人生はきっとより豊かなものになっていくのではないでしょうか。
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