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『稲盛和夫一日一言』5/2(火)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/2(火)は、「人格は変化する」です。

ポイント:リーダーを選ぶにあたり、「人格」というものは絶えず変化していくものであることを忘れてはならない。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、人格を高め、維持することの難しさについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人はえてして、一度学べば十分だと思い込み、繰り返し学ぼうとはしないものです。しかし、スポーツ選手が毎日の鍛錬を怠ってはそのパフォーマンスを維持できないように、人格や心といったものも常に高めようと努力し続けなければ、すぐに元に戻ってしまいます。

 人格を高めることは大事なのですが、高めた人格を維持し、常に向上させていこうとすることはさらに大事なことです。
 それには、毎日毎日繰り返し自分の行いを振り返って、人間のあるべき姿に反した行いがなかったかどうか、反省をすることが必要です。そして反省を通じて、「こうあるべきだ」ということを繰り返し繰り返し自分の知性に訴えて、それを血肉化していくことです。
 そうしなければ、人格を一時的に高めることはできたとしても、それを維持していくことはできないのです。

 性格とは、本能や感情などでつくられた、生まれてきたときから持っていたものです。その性格に、人生を生きていく中で後天的に学んだ哲学が加わって、現在のその人の人格、いわば第二の人格がつくり上げられていくと、私は思っています。

 人は、災難や幸運に遭ったり、人生の荒波の中でいろいろなことを学んだりして、自分の哲学を高めていきます。そうしたものの影響が、もともとあった性格と重なり合って、現在のその人の人格が形づくられていくとすれば、常に自分で人格を高めていく努力をしていかなければなりません。

 「あの人は若いころはいい加減だったけれども、歳を重ねるごとに立派な人格者になっていった」と言われるようになる。若いころは誰しも欠陥を持っていますから、大事なことは、人生を生きていく中で反省と学びを繰り返していくことです。

 人格がにじみ出る、まさに顔からも行動からも、その人の素晴らしい人格がにじみ出ているかのように感じられる。そうした状態にまで人格を高めていくためには、単に頭で知っている、理解しているというレベルではなく、まさに自分の血肉となるまで繰り返し繰り返し学び続けることが必要です。そうした努力の繰り返しこそが尊いのではないでしょうか。(要約)

 今日の一言には、「努力家で謙虚であったはずの人が、いったん権力の座に就くと、一転、傲岸不遜(ごうがんふそん)になることがあります。
 一方、身を誤った人間であっても、心を入れ替え、研鑚と努力を重ねて、素晴らしい人格者に一変した例もあります」とあります。

 お釈迦様のレベルには当然及ばないにしても、たとえ悟り切った完璧な人格者にはなれなくても、常に立派な人格者でありたいと自らを反省しながら、繰り返し繰り返し努力している人こそ、「立派な人格者」といえるのではないでしょうか。

 「人生は修行」 生涯、心を高め魂を磨き続けていきたいものです。


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