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『稲盛和夫一日一言』1/28(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/28(金)は、「宇宙の意志」です。

ポイント:この宇宙には、すべての生きとし生けるものを、善き方向に活かそうとする「宇宙の意志」が流れている。その善き方向に心を向けて、ただひたすらに努力を重ねていけば、必ず素晴らしい未来へと導かれていく。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、宇宙の意志と調和する心の大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 世の中の現象を見ると、宇宙における物質の生成、生命の誕生、そしてその進化の過程は偶然の産物ではなく、そこには必然性があると考えざるを得ません。あるとき私は、宇宙には「宇宙の意志」と呼ぶべきものが存在しているのではないかと考え始めました。

 元々一握りの素粒子から始まったとされている宇宙ですが、それは一瞬たりとも現状のままに留まらず、連綿と結合を繰り返して現在の宇宙を形作ってきました。つまり、宇宙には物事を進化発展する方向へ進めていこうとする流れがあり、その流れは「宇宙の意志」と表現することができるのではないかと考えたわけです。

 言い換えれば、森羅万象あらゆるものを進化発展する方向へもたらそうとする流れ、もしくはあたかも神の意志のようなものが宇宙空間に遍在しているとすれば、すべての生きとし生けるものを進歩発展する方向へと進めていこうとするはずです。

 宗教家は「宇宙には愛が充満している」と言い、仏教ではそのことを「慈悲の心が遍(あまね)く存在している」と表現しています。
 『仏教聖典』という書物のなかで、お釈迦様は「心」というものを次のように表現しておられます。
 「心が濁ると、我々が歩む人生は平かではなくなって、そのために我々は倒れてしまうでしょう。一方、心が清らかであれば、人生という道は平らになり、安らかに生きることができるでしょう」

 もし、私たち一人一人の思いが発するエネルギーとこの宇宙の意志とが同調し、調和するようなきれいな心で美しい思いを描くことができれば、その人の運命はきっと明るくひらけたものとなっていくはずです。(要約) 

 今日の一言には、「すべての生きとし生けるものを善き方向に活かそうとする宇宙の意志が流れている方向に心を向け、ただひたむきに努力を重ねていけば、必ず素晴らしい未来へと導かれていくでしょう」とあります。

 「宇宙の意志」という言葉だけみると、「本当にそんなものが存在するのか。何かオカルトっぽい思想のひとつなのではないのか?」などと疑心暗鬼になりそうですが、古来中国では、「積善の家に余慶(よけい)あり」、つまり「善行を積んできた家にはよい報いがある」とも言われてきました。これは、人が生きていくうえで、善きことを思い、善きことを実行していくことの大切さを端的に表した言葉ではないでしょうか。

 因果応報の法則に従い、馬鹿正直なまでに善行を積んでいく。つまり、世のため人のために一生懸命利他行に努めることで、少しでも清らかな心で生きていけるよう、日々精進していきたいものです。


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