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『稲盛和夫一日一言』 6/18(日)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/18(日)は、「謙虚であれ」です。

ポイント:人は、自分に誇るものが何もないからこそ、威張りふんぞり返って自己顕示欲を満たそうとする。控えめに、謙虚に振る舞うことで他人からバカにされるなら、それはバカにするほうの人間が間違っている。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、謙虚な姿勢を持ち続けることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 素直であることと同様、謙虚であることも学びの源となります。
 謙虚、つまり謙(へりくだ)ると言えば、何かみっともないような感じを抱かれる人もあるかもしれませんが、それは誤りです。人は、自分に誇るものが何もないからこそ威張り、ふんぞり返って自己顕示欲を満たそうとするのです。たとえ、控えめに謙虚に振る舞うことによって他人からバカにされようとも、それはバカにする人間の方が間違っていると考えるべきです。

 経営者の中には、少し儲かり出すとすぐに天狗になる人がいますが、それではさらなる発展は望めません。せっかく神様が収益が上がるようにと会社が立派になるようにしてくださったのに、謙虚さを失い、傲慢になってしまってたちまち赤字に転落してしまうような羽目に陥るわけです。

 素晴らしい企業風土を醸成していくためにも、リーダーは謙虚な姿勢を保ち続けなければなりません。リーダーが率先垂範してそのような姿勢に努めるからこそ、部下も安心して後に続くことができるのです。
 リーダーがふんぞり返ったり、威張り散らしているようでは、チームワークなど取れるはずはなく、集団のベクトルが揃うこともありません。

 リーダーは、役職が高くなればなるほど謙虚な姿勢で部下の中に入り、自ら懸命に仕事の夢などを語ることで、職場に素晴らしい風土を作りあげるよう努力していくことが大切です。

 誰もが謙虚な姿勢を持つことで、集団には素晴らしい人間関係が築かれていきます。それをベースとすることで、必ずその企業は発展を遂げていけるはずです。(要約)

 どのような環境にあっても、人間として正しいことは何なのかということを判断の基準に置き、世間一般の道徳に反することのないよう、原理原則にしたがって公明正大に判断していく。それが京セラフィロソフィの根幹です。

 自分の能力の高さやわずかな成功を鼻にかけ、傲岸不遜(ごうがんふそん)になってしまうようでは、周囲の協力が得られないばかりか、自分自身の成長もおぼつかなくなります。

 私も京セラ在籍40年の間、多くの部署で多くの上司と仕事をしてくると同時に、多くの組織でリーダーを経験してきました。

 京セラでは昔から「声の大きな人が偉くなる」と言われてきました。それは、よく言えば「有言実行」が実践できる人ということになるのですが、別の見方をすれば、声を大にして自己主張できるくらいのバイタリティ、自己顕示欲を持っていなければ、めまぐるしく活動している組織の中に埋没してしまいかねないといった危機感から出てきた仕事のスタイルであったようにも感じています。

 名誉会長は次のように説かれています。
 集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながら、最も高い効率で職場を運営するためには、常にみんながいるから自分が存在できている、という認識のもと、謙虚な姿勢を持つ続けることが大切です。

 私の信条は「謙虚にして驕らず、さらに努力を」です。
 今後とも、むやみに自己中心的な価値観を押しつけたりすることなく、「無私」と「感謝」、そして「素直」な心を持ち続けて生きていければと思っています。

 

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