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『稲盛和夫一日一言』4/13(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 4/13(木)は、「単純な規範を守る」です。

ポイント:子どものころ、誰もが親や先生から教わったにもかかわらず、大人になるにつれて忘れてしまうような単純な規範を生きる指針に据え、それを人生を通して守るべき判断基準とする。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、心の中に規範を持つことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 心の中の規範とすべきものは決して難しいものではなく、公正、公平、正義、努力、勇気、博愛、謙虚、誠実などの言葉で表されるものです。しかし、実際にはそれだけでは足りません。

 もし、心の中に基準、規範となるべき考え方を持っていなかったならば、人は本能に突き動かされて物事を判断し、行動していくことになります。
 京セラでは、いつも「人間として正しいことを正しいままに貫いていこう」と言っていますが、同時に「フィロソフィを単に知識として知っているだけでは意味がない。それを血肉化し、自分のものにしなければならない」とも言っています。

 まさに、そうしたシンプルだが生きていく上での基準、規範となる考え方を身に付け、それを日々実践していかなければならないわけです。

 反射的に好きか嫌いかで判断する。また、何かあるたびにむかっ腹を立てたり、不平不満が口をついて出たりする。相当理性的に見えるような人、あるいは教養がありそうな人でも、そうした本能、煩悩で反射的に判断し反応してしまうことがあります。

 規範となる考え方、フィロソフィをよほどしっかり持っていない限り、人間誰しも魔が差します。つまり、本能、煩悩が強いがために、そういうものに突き動かされて人間として正しくないことをしてしまう。「まさかあの人があんなことをするなんて」ということが起こってしまうわけです。

 心の中に持つべき単純な規範を、単なる知識として知っているだけではなく、しっかりと自分のものにする。血肉化し、それを生きていく上での指針に据えて自分の考えや言動をチェックし、本能、煩悩が先行してしまうのを自制できるレベルにまで高めておかなければなりません。(要約)

 今日の一言には、単純な規範として次のようなものが挙げられています。
   ・嘘をついてはいけない
   ・人に迷惑をかけてはいけない
   ・正直であれ
   ・欲張ってはいけない
   ・自分のことばかりを考えてはいけない

 どれも子どものころに両親や学校の先生から教わったようなことですが、「大人になってからも、そうしたことを生真面目に実践できていますか?」と聞かれて、「私は実践できています」と胸を張って答えられる人はそう多くないのではないでしょうか。

 「それは子どものころとは違うだろう。大人になって自分の力で世の中を生きていくのは大変なんだよ。誰にでも他の人に言えないような(良くない)ことのひとつやふたつはあるんだよ。それが生きていくってことじゃないのか!」という声が、あちこちから聞こえてきそうな気がします。

 しかし、いくつになっても決して遅くはないはずです。子どものころに心の中に素直に浸透して、自分の心の根っこの部分を形作っている「良心」を生きる指針に据え直して、残りの人生を胸を張って生きていきたいものです!


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