『稲盛和夫一日一言』 7/19(水)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 7/19(水)は、「一歩一歩の努力 ①」です。
ポイント:どんなに偉大なことも、一歩一歩の地味な努力の積み重ねから生まれるということを忘れてはならない。
2004年発刊の『君の思いは必ず実現する 二十一世紀の子供たちへ』(稲盛和夫著 財界研究所)の中で、今日一日を精一杯生きることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
人間は、自分が希望する学校や会社に入れないと、他の人が行っているところがよく見えて、自分のところは見栄えがしないなどと思い込んでしまいがちです。しかし、そうした状態からいかに早く脱するかによって、その後の人生は大きく変わってくるのです。
特に若い人は、みんな自分なりに「偉大なことを実現したい」という夢や希望を持つものです。ただし、それは一歩一歩の地道な努力から生まれるということだけは知っておいてほしいと思います。
実現するための地道な努力をしないで、大きな夢を描いているだけでは、それはいつまでたっても夢にとどまったままです。
私が長年仕事に打ち込み、多くの事業を育てることができたのは、地道な努力を続けてきたからに他なりません。
そのために私は、意識して「仕事を好きになる」努力をしました。そして、その努力を長く続けていくために、「創意工夫」を重ね、仕事や研究に「喜びを見い出す」ことに努めてきました。
一日一日にできる工夫はほんのわずかなものです。しかし、それを毎日毎日、何年も続けていけば、実に大きな進歩、発展がもたらされるものです。ですから、同じようなことを続けるにしても、全く同じようにただ繰り返すのではなく、常に創意工夫をこらしてみることが大事なのです。
しかし、目標を定め、それに向かって努力を続けていても、ときには「どうしたらいいのかわからない」とか「自分は正しいのだろうか」と悩んでしまうような状況に陥ってしまうことがあります。そんなときでも、決して逃げ出さずに、ひたむきに努力と創意工夫を続けていると、ふと自分の背中を押してくれるものが必ず出てくるはずです。
それこそが、みなさんの心の奥深いところにある良心から出てきた魂の叫びであり、死に物狂いで努力してきたみなさんに対する天から贈り物なのです。
うまく行かなくて、気持ちが滅入ったり萎えてしまい、ときには挫折感のようなものを味わうこともあるでしょう。そうしたときも、今日一日の目標を立て、その目標達成に向けて精一杯の努力を続けていくこと。それこそが夢を実現させるためのただ一つの確実な方法なのです。(要約)
語感が近い言葉として、「地味」と「地道」という二つがあります。どのような使い方をすれば適切なのか迷うことも多いので、辞書的な意味を調べてみました。
「地味」には、「見た目に華やかさがなく、目立たない様子、性質や言動に飾り気がなく、控え目な様子」といった意味があります。
一方「地道」には、「手堅く着実に物事をすすめる様子、普通の速さで歩くこと」といった意味があります。
つまりこの二つは、「地味」は「性格」、「地道」は「行動」として区分されているようです。
大概の人は、「飽きもせず、昨日と同じようなことを繰り返している(情けない)自分」に気づいてドキッとした瞬間があるのではないでしょうか。
しかし、そうした日常を何の目標もなくただただ繰り返しているのと、自分なりに大きな目標を掲げ、その達成に向けて努力しているのとでは、しばらくすると、その立ち位置に大きな隔たりが生まれてくるはずです。
京セラフィロソフィに「地味な努力を積み重ねる」という項目がありますが、それは次のような言葉で締めくくられています。
偉大なことは最初からできるのではなく、地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めてできるということを忘れてはなりません。
私も、むやみに焦ることなく、「地味」な努力を「地道」に続けていくことで、身近な目標や大きな夢を実現していければと思っています。
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