『幻想曲 ハ長調(Fantasie C Dur)作品17』 ロベルト・シューマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

幻想曲 ハ長調(げんそうきょく はちょうちょう:Fantasie C-Dur)作品17は、ロベルト・シューマン作曲のピアノのための幻想曲。シューマン初期のピアノ曲で、『クライスレリアーナ』などと並び、彼のロマン主義志向が顕著に現れた代表的作品である。3楽章からなるソナタ風幻想曲で、演奏時間は30分程度。

概要
1835年、フランツ・リストらを中心としてボンにベートーヴェン記念碑の建立が計画された。発起人に名を連ねたシューマンは、寄附を目的として翌年から1838年にかけてこの曲を作曲した。ベートーヴェンを讃えるため曲中にベートーヴェンの作品が引用されているが、一方でクララ・ヴィークのための作品でもある。この時期はシューマンがクララと婚約しながら彼女の父親の猛反対で先が見えない時期に当たり、構想段階の表題、引用されたベートーヴェンの連作歌曲『遥かなる恋人に』、さらには第1楽章の頻繁な転調と不安定な調性感もそれを反映しているといわれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?