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若いなって、言ったあの子は。

最近、中途で採用された、ひとつ年下の男がチームに加わった。

僕が27歳だから彼は26歳。
それなりに前職で活躍していたようだ。
面接を担当したのは自分だから、どんなひとかはわかっているつもりだった。

入社のあれこれを済ませてもらって、社内の施設などを紹介してから、
僕のアシスタントをしている23歳の女の子を、顔を覚えてもらおうと紹介した。

「23歳だから、僕らとそんなに歳も変わらないんだよ」って。

「え、だいぶ違いますよ」
彼は即座に言った。

「あれ、僕ら26,7だし、3歳差くらいだよね?」

「3つも違いますよ」

「...あはは、そっかそうだよね、僕、実は結構歳上なんだから敬ってよね(笑)」

そう、僕からアシスタントの女の子に矢印を返して和やかな雰囲気に戻したものの

やってしまったな、と思った。

それと同時に、なんだかモヤッとしたものだ。

言い返すときの若干の声の上ずりと、その不自然に空いた間。
真っ向から誰かの何かを否定したときに起こる空気を感じた。



「若いっすね」

入社から2週間たったころ、他部署のメンズと交流ランチに行ったあと、隣に着席しながら僕に話かけた。

「話題が女の子との合コンとかナンパとかの話ばかりで、若いなって思って。ずっと下向いてました(笑)」



ざわつく心。

若いという彼は、僕よりも若い。
そして、僕は会社の中でも社会のなかでも、きっと若い方なのだろうと思う。

そう、彼にも言ってあげたくなる心。

自分もきっと、彼と大差なく、悪気なく、誰かの心をざわつかせてるのだろう。



正直、タイトルに使ったものの「あの子」という言葉は好きじゃない。
文脈によれど、好ましい使い方でなければ安易にマウントを取る三人称な気がしている。

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