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インストールされた言葉と意味、癖

「いや、」

否定的な文章でもなく、文脈からおよそ反対の意見を言うわけでもない場合でも、開口一番この言葉を選んでいる人を多く見かける。

選んでいる、というのは語弊があるかもしれない。
もうその言葉で始めることが板についてしまっていて、言葉を選ぶという選択肢すら存在していない可能性が高い。

すでに自分の頭や口にインストールされたシステムによって、「いや、」ということがデフォルトになっているといった状態なのだろう。

「いや、」という言葉をそのまま意味で使っている場合
「えーと」などのフィラーのようにつなぎ言葉として使っている場合
など様々用途は考えられるが、そもそも「いや、」の用途は多岐に渡る。

そうなのだが、その言葉の額面自体、まず否定的なニュアンスを持つ言葉だということに異論はないだろう。もちろん、悪意や敵意のない使い方もあるが、そもそも響きが否定的なニュアンスをもっているということだ。育ちや周りの環境など個人差はあるかもしれないが、個人的に、そう思っている。

否定されてもいないのに「いや」とはじめられると、なぜか否定された気分になったり、その後に続く文脈を否定につながらないかどうか慎重に読み解こうとしてしまう。

だから、僕はどんな話であれ、実際に話の流れとは逆のことを述べるか、相手の意見を反駁するとき以外は、「いや」という言葉を頭につけないように意識している。

もし相手の頭にも、僕と同じように「いや」に否定的なニュアンスを感じるようなシステムが導入されているのであれば、相手の頭は僕と同じようにエラーを起こしてしまうかもしれない。

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