レッスンの前の緊張

琵琶を習っている。もちろん、自分の意志で習っている。
琵琶は良い。まず、珍しい。多少下手でも、個性という抜群のタグが付いて来る。
そして楽器形が良い。えも言われぬ雫型で、見た目にエキゾチックな説得力がある。
腕前は中の下だ。習った何年を鑑みると、なんなら下手くその部類だ。しかし、サンクコストが辞めることを躊躇わせる。
昼に歯医者へ行き、レッスンのある2時まで小一時間タリーズでコーヒーを飲む。よくこのパターンになるけれど、この時間がとても辛い。
まず、そもそも先生の前で上手く弾けた試しがないのだ。

練習の時は弾けるんだよ、練習時間だってそれなりに取ってるんだよ。
えげつない程の自己否定感に苛まれて、レッスンの後はしばらく鏡を見られなくなる程だ。

よく考えたら、先生の前どころか、人前では弾けない。弾いたことがない。
誰かの前で弾こうかな、などと想像しただけで指が狂い、楽譜が全部飛ぶ。
発表会とかそういった類の催しも、全て不参加で通して来た。

こんなに自分に自信が無いにも関わらず、自意識過剰なのだね…

カッコ悪いなぁ…

自己否定のループだなぁ…

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