見出し画像

景気変動でちょっぴり救われた話 【強迫性障害の話】

つい先日、久しぶりに不安から確認行動を繰り返し、動悸が止まらなくなった。

すっかり寛解したと思っていたので、久しぶりの感覚に血の気が引いた。
これが日常だった頃は即座に対処できていたのに、咄嗟に何も浮かんでこなくて、深呼吸したり水を飲んだりしてただ椅子に座っていた。

事の発端は、前日にATMで下ろした現金とその時使ったキャッシュカードが間違いなく財布にあるか、チェックしてしまったことだった。
そこから急に思考がぐるぐる回る様になり、何回も何回も同じことを確認してしまう。確認しても不安は消えない。

とりあえずゴミ出しと買い物を済ませようと出掛けてはみたものの、財布のことが頭から離れず、加えてゴミ袋や生肉のトレーを触った手を洗いたくなるゾワゾワした感覚が追加される。

ああ、懐かしい。これは紛れもなく、治療当時の感覚そのものだった。


貴重品の持ち運びやお金のやり取りは、強迫性障害の治療の中でも最後の方までずっと不安だった。何なら寛解後も少し不安だから日常的には財布を持たない生活をしているくらいだ。(これを寛解を言って良いのか?と思いつつ、日常生活が送れているのでOKだと思っている。)

通院の際など、現金が必要で財布を持ち歩く機会は何度もあったが、今回のような症状の再発は一度も無く、てっきりもう大丈夫だと思っていたのだが、何がきっかけか症状が出てしまった。


そんなわけで対処法に困り果て、ただ椅子に座って深呼吸を繰り返していた私なのだが、そこへリモートで働いていたパートナーが一言。

「日経平均やばい」


確実にこの状況でかける言葉ではない、と思いつつ彼の真剣な横顔を見て私も検索してみる。

すると、週末からホワイトサイクロンばりの急降下を見せていた日経平均が、ピョーンと急上昇し始めていた。株価のチャートを見ているとどこもかしこも慌ただしく動いている。生きものみたいだ。

そういえば年始に新NISAでの投資に出遅れてから、ずっと買うタイミングを逃していたことを思い出した。ちょうどいい機会かなと思って株や投資信託についてあれこれと調べ始める…と、あっという間に2時間が経っていて、気がつくと動悸もどこかへ消えていた。
やろうやろうと思ってなかなかできていなかったことも一つ片付いたので、何だか気分もスッキリしていた。



本人は話題の一つとして言ってきただけだったようだが、一つのことに没頭させることで動悸をおさめてくれたパートナーよ。ありがとう。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?