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食べ物は残さないで先輩

食堂で昼飯を食べていた。

得意先に併設されている安くて美味くない食堂。近くにコンビニとか無いから妥協で利用するレベル。
勝手なイメージだけど、飯の品質でそこで働く社員の質も決まるのではないかと。
たぶん偏見ですよね。

いつも通りワンコイン(500円)定食を注文。案の定、大して美味くはない。でも栄養のバランスはそんなに悪くないから割り切って完食。
先輩が先に食い終わって俺の近くに寄ってきて、小皿に乗った煮物を渡してきた。

『ニンジンとインゲン嫌いだからあげる』

俺は咄嗟に、『口をつけた料理なんでいらないっすね!』
お互い笑いながら食堂を後にした。

実際のところ俺はそんなに潔癖症ではない。
なのに何故先輩に対していらないと失礼な事を言うのか?
直接本人には言えないが、先輩は口が臭い。

職業柄、あまり人と接しない環境であることも原因なのかも知れない。
でも、、、それでも気にしないのだろうか。
歯磨きしないで半日とか経過すれば、自分でも口臭いと思わないのか?

エレベーター内や普段談笑する時、自然と先輩と距離をとる。俺が自然と行う防衛行為は一つの気づきを教えてくれる。
俺も口臭かったら同じ事をされる。
そう考えると少し怖くなった。何も注意されないことは優しさでは無く脅威だ。
触らぬ神に祟りなしとはまさにこの事かと。

今日、俺の中で先輩は神になった。

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