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90年代に書かれた地球を救う方法を読みながら、2020年以降に必要な行動を考える


たまたま見つけたのだが、先日『子どもたちが地球を救う50の方法(50 simple things kids can do to save the earth)』という古い本を読んだ。
Earthworksというグループによってアメリカで出版され、日本では1990年に初版が発売。2009年には新版が発売されているが、僕が手にしたのは古い方だ。

「買い物袋には入れないで」
「かしこい消費者になろう」
「発泡スチロールにさようなら」
「6個パックリング(six pack)をチョキンと切ろう」
「風船をしっかり握って離さないで」

(飛んでいった風船は、やがて水に落ち、海洋プラスチックゴミとして海に流れ、海水によって半透明になり、クラゲと間違えられて魚や海カメに食べられたりする、という内容)

こういった見出しの“地球を救うための行動”のやり方が、子ども目線でひたすらわかりやすく書かれている。

いずれも90年に書かれているものだが、30年経ったいまでも、ほとんど通じるものだ。
というより、結局のところ今も昔も日常生活における環境問題は変わらず、ずっと解決されないままだと言っていい。

1990年に子どもだった自分は、2020年を生きる大人として、これらの50の方法をどのくらい実践できているだろうか?

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話はちょっとズレるが、僕は山登りが好きでよく登りに行く。その登山中に目に付くのは登山道に落ちた小さなゴミ。
登山中はなるべく拾うようにしているが、それでも自分のポケットやバッグに入れるには限界があるので、さすがに無視してしまうものもある。

先日も、お手軽な登山コースとして人気のある山に登った時、山頂の休憩スポットの裏側がゴミでいっぱいなのを見て絶句した。
富士山が綺麗なハイキングスポットとしての代償が、土に帰らないものばかりで埋め尽くされた山頂。
少しでも山から降ろすことができればいいが、1人では無理だし、より多くの人を巻き込める、より良い実践方法が必要だ。

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<行動から生まれるもの>

個人的に憧れの人でもあるクリエイティブディレクター、レイ・イナモト氏の最近のインタビューではこんなコメントがある。

「インターネットやSNSが出てきたことによって、きれいな言葉で塗り固めただけのうそはすぐ見抜かれるようになりました。消費者は、もう言葉だけでは動かされません。ブランドは、行動が伴ってはじめて信頼を勝ち取れます。マーケティングでは長く“ストーリーテリング”がもてはやされてきましたが、これからは“トラストビルディング”が重要になるでしょう」

信頼を作り上げることができるのは、勇気を持って行動に出た者。企業も、そして個人も、これからのあるべき姿として必要になってくる姿勢なのだと思う。

さらにいうと、結局のところ、ストーリーの源は行動だ。
その行動が目撃者に共感(もしくは反感)という感情の揺れを生み、ストーリーが生まれ、さらなる共感と信頼を生み出していく。

ストーリーだけを意識したもの、あるいはストーリーだけでしかないものは見抜かれる。行動から生み出されたストーリーこそが本当のストーリーになるものだ。

答えが分からない不確実な時代からこそ、結果的に間違いだったり反感を生んだとしても、行動こそが周りとの関係を生み出し、次なる方向を教えてくれるのだ。

行動し、プロトタイプし、それらを通じて人と交わりながらさらに模索し、目指すべきビジョンを磨いていく。

2020年以降はこうした姿勢が、より一層大切になる時代なのだと思う。


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