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鬼滅の刃の元ネタは?

鬼滅の刃大ヒットしてますが、原作を読んだ感想だが今のトレンドではない古風な絵柄と言い古めのマンガ演出、ストーリーといい作者吾峠呼世晴氏はガチの手塚治虫ファンではないか?・・という推察を建ててみました。

・最近の漫画では珍しい真面目なお兄さんとヤンチャな妹という設定で「鉄腕アトム」のアトムとウランの兄妹にそっくり。原作のアトムはロボットが人間に差別されていてアトムの夢は「人間とロボットが仲良くできる社会が来るといいな。」この基本テーマもよく似てる。敵も悪い人間に操られてるロボットが敵のケースが多く敵を倒しても爽快感より物悲しい感じで終わるケースが多いそのときの悲しげな表情演出がソックリ。

https://tezukaosamu.net/jp/character/25.html

https://tezukaosamu.net/jp/character/84.html

・「三つ目がとおる」の主人公写楽は三つ目族の末裔で額の目から超能力を出せるので育ての親の犬持博士によって悪魔的な力を制御するためにばんそうこうを貼って三つ目を隠しているその時は凶暴な性格から一転、無邪気な可愛い幼児モードになる。母親は落雷で死亡し形見の服を隠し持っている。ボーイッシュな同級生和登千代子とコンビを組んで謎を解決していく。幼年期に母を亡くしているのでマザコン気味で和登サンによく甘える。(鬼滅だと男女の設定が逆になっている)あとやさぐれキャラの不死川実弥も三つ目モード(不良)の写楽に似ていて学生服(隊服)のエリを開いてるところが似てるのと不幸な過去を背負っているところもよく似てる。泣き虫キャラの我妻善逸も二つ目モードの写楽にそっくり。ちなみに「三つ目がとおる」はバスタードや遊戯王、静かなるドンの元ネタとしても有名。


「どろろ」は戦国時代主役の百鬼丸が妖怪に奪われた48個の肉体(最近のアニメだと12個に変更)を取り戻すため、泥棒のどろろとコンビで旅を続けていて敵を倒すと目などの肉体が戻ってくる。全体的なダークな世界観と猪のお面をつけた嘴平伊之助が百鬼丸の二刀流を広げたポーズがそっくり。「どろろ」は鋼の錬金術師やベルセルク、犬夜叉の元ネタとしても有名。

「ブラックジャック」は幼年期事故で黒人の皮膚を移植したため顔に傷があり肌色と黒のツートンカラー。母親を殺した犯人(悪人が利権で不発弾を処理しなかったため事故死)を見つけ出し復讐を企んでいる。「ドクターX」「ザ・シェフ」などが影響を受けている。

「ドン・ドラキュラ」は現代に生きるドラキュラ親娘が主役の手塚流のコメディーでありドラキュラなので当然日光を浴びると灰になる。 (灰を棺桶に納めた後、血・ニカワ・パウダーを入れて3分待つと復活する )彼ら吸血鬼の主な栄養源は人間や動物の生き血 で、血がない場合はトマトジュースで代用している。

猪の被り物をした嘴平 伊之助というキャラが出てくるがこれも手塚マンガの鉄板の設定で「火の鳥太陽編」では主役ハリマが敵側に狼の顔の皮を被せられくっついてしまう、「きりひと賛歌」では医師の小山内桐人がマンモウ病と言う奇病にかかり顔が犬のように変形してしまう。いわゆるケモナーの元祖。


伊之助が幼年期猪に育てられたエピソードは手塚が釈迦の生涯を描いた「ブッダ」のダイバダッタが狼に育てられたエピソードを参考にしていると思われる。


・鬼殺隊の服のデザインが新選組モチーフだが手塚も「新選組」を描いている仲の良い隊士が最後戦う羽目になるいというストーリーで萩生望都がこれを見て漫画家を志したのは有名。


・可愛い絵柄なのにあっさり人が死んでいく主要キャラですらあっさり死ぬ(当然生き返らない)シリアスなシーンなのに無理やりギャグシーンをぶち込んでくる。(手塚作品全般)

・ラスボス鬼舞辻無惨が残虐非道で黒手塚作品の悪役に似ている。(MW、バンパイヤ)そして夢が永遠の命を得ること。これは手塚の「火の鳥」の基本テーマ。


・蝶モチーフで医者の胡蝶しのぶが出て来るが手塚も昆虫マニアで蝶をモチーフにした作品も多い(人間昆虫記、ゼフィルス)特に蝶が好きで治虫も元々オサムシから取られたペンネーム(デビュー時はテヅカオサムシ読みだったが手塚治虫氏表記だとテヅカオサムシシになって読みにくいのでテヅカオサム読みになった。)なおかつ医師免許を持っているので医学テーマの作品が多い(ブラックジャック、きりひと讃歌、陽だまりの樹)鬼滅の刃作中で人体解剖図や医学用語が普通に出てくるのもそのためかも?わざわざ蝶がモチーフで医者のキャラに「人間と鬼が共存できる社会がくればいいわね。」と言わせてるところも萌えポイント(笑)今の漫画に出てこない上品な感じも手塚キャラに似ている。


甘露寺 蜜璃というキャラが途中で出てきますが
髪の色や筋肉が原因でお見合いが破談したので毛を黒く染めて食事も我慢して自分を偽って生きていて悩むが鬼殺隊の隊長にその能力を評価されありのまま生きる・・・という設定なのだがモチーフは「リボンの騎士」のサファイアですね。サファイアは王族で女に生まれたが王には男しか慣れないので
やむなく男装して生きています。ただ違うのは神様が間違えて女の子に男の心のキャンディーを飲ませたので両方の要素を持っているということ。
僕は男らしく生きるんだ!・・と言いながら可愛いドレスを見たら着て喜んでたり男と女の間で葛藤するのが魅力の一つで今でいうトランスジェンダー的な感じで描かれています。

(追加記事)
最近出たコミックを読みましたが。
伊黒小芭内のキャラ設定の左右の目の色が違う、不幸な過去を背負った皮肉屋で偏屈な男だがここぞというところでは彼女である甘露寺蜜璃を守るなどのキャラ設定は「ブラックジャック」でしょう。
ブラックジャックも顔が日本人と黒人の肌のツートンカラー(不発弾の爆破事故で友人の黒人の子供の皮膚を移植したため)母親も事故で無くなり事故に関わった人間に復讐を誓っている。性格も皮肉屋で偏屈な男だが仕事は出来ここぞというところでは彼女を守る。赤ちゃんを食べる下半身が蛇のような女の妖怪も出てきますが似たようなのが「どろろ」に出てきます、家の間取りも同じで思わず突っ込みました(笑)

どろろに影響を受けたのは高橋留美子先生なのは有名ですが
手塚治虫「どろろ」、高橋留美子「犬夜叉」そして「鬼滅の刃」を読み比べると類似点があって面白いですね。犬夜叉は現在サンデーアプリで無料で読めます。ちなみにどろろは当時1960年代水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」などの妖怪漫画が大ヒットそれに嫉妬した手塚治虫先生が対抗して描いたのが「どろろ」なんですね。水木先生が南方戦線で戦死してたら日本の漫画の歴史は変わったかもしれません。

・ヒロインの千里刑事が鳥アレルギーで鳥を見ると子供の等身になってしまう(七色いんこ)

https://tezukaosamu.net/jp/character/370.html


・7巻の機関車のエピソードは松本零士の「銀河鉄道999」をモチーフにしていると思われる。主人公の鉄郎が機械の体を求めてメーテルと999号で旅するが永遠の命より限りある命の方が大切だと気付く。松本零士は手塚治虫にあこがれて漫画家を目指し学生時代手塚治虫のアシスタントを務めていたのは有名。作者さんもこの辺のエピソードを知ってるっぽいような気がする・・・。


アクションシーンはドラゴンボールナルトを参考にしているのだろうが基本設定は手塚マンガから取られていると推測


ネットで成功した理由が書かれてたが

・最近の漫画にはない親子愛、兄弟愛が描かれている主役がヤンキー系ではなくまじめな好青年で年配者も感情移入しやすい。

・敵側も単なる悪でなくいろいろ事情を抱えているそこでドラマが生まれるので深みがある。


これも手塚作品の基本テーマであり、それが最近の若者にとっては新鮮に映ったのではないか?ただ最近の若者が手塚作品に触れる機会がまずないので(図書館でブラックジャックや火の鳥は置いてあるみたいだがアトムはない。)これも推測だが作者の親が手塚ファンで手塚治虫大全集400巻を持っていたあるいは本人が古い漫画が好きで当時出ていた文庫版の全集を集めていたか?古い漫画を幼児期から大量に読んでいたので絵柄やテーマが最近の漫画にない感じになったのであろう。

手塚治虫作品も当然元ネタがあって大のディズニーマニアだったので

鉄腕アトムの元ネタはピノキオと自分が経験した人種差別。

ジャングル大帝の元ネタはバンビ。

ブラックジャックはゴルゴ13やあしたのジョーなどの当時の劇画のアウトローヒーローと自分の医大生時代の経験、

三つ目がとおるは当時のオカルトブームとシャーロックホームズとワトソンのコンビを参考に作られてる。

イソップ童話や昔話はよく参考にしてると手塚本人が言ってるのでパクリが悪いのではなく別物になっていればOK!ストーリー漫画の創設者が手塚治虫なので当然当時はお手本になる漫画がなくアニメ映画や文学などが元ネタになっているケースが多いです。(ただライオンキングは・・・・・アカンやろ!ちなみにドラゴンボールは西遊記と里見八犬伝と未来少年コナンが元ネタ、ワンピースは怪物くんとキン肉マンと清水次郎長などの任侠物が元ネタ。キャプテン翼とスラムダンクはドカベンが元ネタ。)


スマホのマンガワンアプリで手塚治虫の「ブラックジャック」「三つ目がとおる」「火の鳥」「リボンの騎士」「陽だまりの樹」「アドルフに告ぐ」「ブッダ」「バンパイヤ」などが無料で読めるので興味ある人はぜひ!(現在は停止。豊島区中央図書館あるいはトキワ荘マンガステーションで無料で読めます。)

あとアニメの鬼滅の刃について考察すると外崎春雄監督は

高畑勲ファンであろうと推測。

1、アニメ版の1話目がアルプスの少女ハイジの一話目とよく似てる。


2、今のアニメにしては食事シーンなどの日常描写がやたら細かい。(細かい日常描写をアニメに取り入れたのは高畑勲、弟子の宮崎駿も当然取り入れてる。ただ手間がかかるためあまり今のアニメではやらない。)

3、デジタルを駆使して原作の手描きタッチ(キャラや技)をわざわざ再現しようとしている。それにより原作の温もりのある世界観が再現できた。(今のアニメの線は均一なので、強弱のある線に最初アニメーターは苦労したらしい。)デジタルを使って手書き風の表現を始めたのも高畑勲
そのスタートとなった「ホーホケキョとなりの山田くん」は興行は
大ゴケしたがアニメ業界に一大ショックを与えたという。(ヒットしたおそ松さんもデジタルを使って手描き風の表現にこだわっている。)


高畑勲関連のトークショーに行くと半分くらい演出家やアニメーターなどの業界関係者でビックリする。手塚治虫が漫画の神様なら高畑勲はジャパニメーションの父と言ったところか。高畑勲は原作を分析してアニメにするのがうまく(ハイジ、赤毛のアン、じゃりン子チエなど)その辺も参考にしていると思われる。


(おまけ)僕の手塚治虫体験

そのころ漫画家を目指してたのでたまたま藤子不二雄Aさんの自伝マンガ「まんが道」を本屋で立ち読み(当時は小さい店だとビニールがかかってなかった)そこで漫画の神様手塚治虫の存在を知った。子供のころ再放送で手塚アニメは見てたものの原作に触れる機会がまずない(ブラックジャックとブッダはコミックで手に入った)・・・というか今みたいに売ってない!(今は文庫の全集出ててがネットで手に入るしデジタル書籍でも購入可能最近はマンガワンアプリで手塚作品が無料で読める!)
しょうがないから当時刊行していた手塚治虫全集400巻の古本を集めていたね。


2020.12.24 新記事を半年かかりましたがアップしました。

鬼滅の刃完結、絵で元ネタを徹底比較!


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