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アメリカ留学について②

 前回の記事では私がアメリカ留学を志したきっかけや、どのように学校を探したかについて書きました。今回は、出願にあたり必要な手続きについて書いていこうと思います。前回と同じく今回も私の経験談ですので、それぞれの大学で異なる部分も多くあると思います。どれくらいの時間や費用がかかるかはざっくりとイメージできるはずですので参考にしてみてください。

出願する上で私がしたこと

 前回の記事では先生にアメリカで実際にお会いして演奏や人柄に感銘を受けたところまででした。それが去年の6月中旬です。その段階で私は先生と面識があり、演奏のレベルでは問題なく合格でき、入試のマネージャーを紹介してもらえるという話までしていました。

 帰国してホームページを見ると、出願に必要なのは

推薦状が3通
前の学校の成績証明書1通
志望動機書
自由曲3曲とスケール、アルペッジョ
TOEFLのスコアを学校に直接送付

であることがわかりました。本当はもっとあるのですが、7月の段階ではとりあえずこれらをどうにかしようと考えていました。締め切りは翌年の1月中旬でした。

 まずは推薦状です。真っ先にお願いしたのは職場の上司でした。当時の職場は公務員の音楽隊だったので、そこのリーダーである指揮者に書いていただければ、説得力があり選考において強い推薦状になると考えました。その方はとても理知的で聡明な方でもあったので、私を深く分析して書いていただけそうだとも思いました。
 次にお願いしたのは高校の頃からお世話になっていて、大学時代も師事し、卒業後も年1のペースでレッスンを受けていた先生です。私のことをよく知ってくれているし、昔から温かいお言葉をかけてもらっていたので、素晴らしい推薦状を書いていただけることは確信していました。
 もう1通どうしようかと迷ったのですが、実際にアメリカの先生にお会いしてもうここ以外には考えられないという意志が固まっていたので、意を決して出願する大学の先生にお願いしました。断られればまた他の方を考えればいいと思っていたのですが、なんと承諾していただけました。

 ということでひとまず推薦状は置いておいて、次は録音です。当時の勤務地の近くに素晴らしいピアノ奏者がいて、その方とは数年前からいろんなところで演奏したこともありました。音楽性も素晴らしいしあわせもやりやすくて信頼していたのでその方に連絡を取り、スタジオもおさえ、その日は有給を取りました。木曜日と土曜日の2日間借りたのですが、自由曲3曲でも結構時間がかかりました。事前の合わせは2回くらいだったと思います。

 TOEFLはもう受験して必要な点数以上取るだけです。それぞれの大学ごとに要求される点数は変わりますが、私の学校はなんと破格の61。ノー勉で数年前に受けたときが59で、その後仕事でも英語を使う機会もあり、結局TOEFLの対策は直前の数週間しかしませんでした。私の憧れの先生がこの学校にいてくれてよかったと心から思わざるを得ません。80とかだったら相当しんどかったはずで、学費とTOEFLがアメリカ留学の壁になっていることは間違いありません。試験を受けたのが8月中旬、結果は9月頭に出ました。結果は61は超えていたものの本当にこれで留学するのかというレベルです。英語の学習自体は継続しなければなりません。

 そして最大の山場が志望動機書でした。まず何を書けばいいのかがわからない。調べてみるとフォーマットのようなものがあるらしく、私もいくつかの記事を参考にしてまずは日本語で書き上げました。その後、英文翻訳の会社に発注し、英訳してもらいました。自分で出来るならそれがベストだと思いますが、正直言って完璧な英文には到底ならないし、時間のこともあるので日本語で書いてもらった推薦状と合わせて3通翻訳をお願いしました。費用は2万円いかなかったと思います。翻訳してもらった後、妻の親戚にアメリカ人の方がいるのでもう一度チェックしてもらいました。細かい修正をしてもらい、とりあえず全て揃ったと思ったのですが…。

出てくる出てくる必要書類

 大学の成績証明書などは取り寄せるだけで、あとはスキャンしてpdfにするだけ。提出は全てオンラインです。非常に簡単で助かりました。これで終わりか、と思ったら、どこにも書いていなかったり合格をもらった後でいいとホームページに書いてあった書類も提出しろとメールで指示されました。おそらくこれは締め切りを過ぎても問題ないはず、と思っても提出しろと言われれば焦ります。しかも12月の中旬に言うんです。親切心なのだと思いますが、大学も休暇に入ったり郵便も年賀状で大混雑したり、私も帰省して郵便を受け取れなかったりして最終の書類提出は締め切りの数日前になってしまいました。7月に動き出してもこれです。大学のサイトには「留学生は1年前から準備をはじめろ」と書いてありました。私は半年程度でしたが、余裕を持って準備したほうがいいことは間違い無いようです。

注意点

 ここからは私の経験から気をつけてほしいことを列挙します。アメリカの大学への出願を迷っている人は、決心がついたらまたここに戻ってきてみてください。

①可能な限り早めに動き出す。上でも書きましたが、それほど提出するものが多く見えなくてもとにかく時間がかかります。想定外のことを言われたりもしますし、時差の関係でメールのやりとりが1日おきになってしまうこともあります。
 もっとも時間がかかったものの中に、きちんと学費が払えるのかについての証明書がありました。そのフォームの中では金融機関に記入してもらう箇所がありました。それは、学費に生活費を含めたトータルの費用を払えるだけのお金が入っていれば職員はサインしてくれと言う大変独特なものでした。こんなものに本当にサインしてもらえるのかと思いながら私のメインバンクであるゆうちょ銀行窓口に行きくと、案の定このような様式にサインはできないという答えが返ってきました。結局英文の残高証明書を添付すれば良いことになりましたが、見たことも聞いたこともない書類の準備には思っている以上の時間と手間がかかります。

②困ったらとにかく連絡して訊きましょう。一番最初にまずオンラインで出願開始の手続きをして100ドルの手数料を支払ったのですが、その時に間違って入学を前年にしてしまっていました。さらにその後、志望している学位を間違ってMMではなくMAにしてしまってもいました。入学年もコースも間違っていたのですが、どちらとも担当者に連絡したら一発で解決しました。その他奨学金、学生寮など様々なことについて担当者と直接やりとりし、疑問を解消してきました。あちら側の常識なんて何一つ知らないというつもりでいたほうがいいです。細かいことはまとめて一気に人と直に話せる雰囲気やその感覚は日本ではあまりなく、かなり特徴的だと感じました。それを良いと感じるか悪いと感じるかは人それぞれだとは思います。個人的には好意的に感じています。

③大学のウェブサイトは可能な限り隅々まで全て読みましょう。親切に色々と教えてくれたりリマインドしてくれる人もいるのですが、基本的には知らなければそれで終わりです。学校にもよると思いますが、私の学校では大学院事務部と音楽学部のサイトが別で、それぞれに必要書類が記載してあり、しかも一部は重複していてめちゃくちゃわかりにくいです。混乱しないようによく注意しないと提出漏れが怖かったです。

その後

 全て提出し終わった今年の1月に結果がきました。書類提出用のサイトを開くと、おめでとう!というメッセージが出て合格を知りました。割とあっけないな、と思いながら家族や職場、先生方に報告とお礼をしました。その後は様々な奨学金に応募しているのですが、まだ結果が帰ってきていないのでいずれまとめて記事にします。
 合格後はI20という書類が送られてきて、その他のいくつかの書類を持って大使館や領事館に行って面接を受け、F-1ビザを発給してもらう、はずだったのですが、入学が延びました。理由はもちろんコロナです。

 先月の始めに学校からメールが来ました。もし希望すれば、入学を来年の春か秋に入学を延期できるというものでした。当時はまだ収束の目処が全く立っておらず、夏に行くのは危険だと判断しました。せっかく行ってもオンライン授業しかやっていないし、それなら焦って行く必要もないな、とも思いました。結果、来年の1月に入学になり、渡米も今年の12月上旬に変わりました。ビザの申請もまだなので、その辺りもまた記事にしたいと思っています。

今の心境としては、一番は早く世の中が落ち着いて渡米したいのが一番です。と言ってもどうしようもないので毎日コツコツ練習しています。数週間に一回は先生のご好意でオンラインレッスンもしていただいていて、今までの癖を無くして新しい奏法にチャレンジしているところです。練習のモチベーションと遊びを兼ねて、みんな大好きファミポップⅢ(トロ無)を多重録音してみました。これからもいろんな曲をやってみたいと思っていますので、面白そうだと思ったらぜひチャンネル登録、高評価お願いします!


以上が出願から今までの流れです。長い記事をここまでお読みいただきありがとうございました。質問もお待ちしています。それではまた!

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