見出し画像

ナラティブは「自分だけの価値」



【ナラティブ=終わりのない物語を自分で語る】

 
私は個人の持つナラティブを「生き様」と感じる。

では、
「自分の物語=自分の生き様」を伝える機会はどれだけあるだろうか?

自分のことを話すって気恥ずかしいし、自慢じみて気が引ける。

しかし、
人は根本に「聞いて欲しい」「共感して欲しい」生き物であり
自尊感情(※1)を満たして欲しいと感じている。

(※1)自尊感情:自分には価値があると思える感覚

その生き様を自分の言葉で語ることは
こんな効果がある。
・自分の人生を振り返られる
・今のポジションを確認
・未来に向かう方向性の発見 等

個人的な活動の話になるが
最近はそんな思いを中心に
Twitterのスペースで個人がナラティブを語れる場所
「3K(聴く、訊く、効く)ナラティブインタビュー」を展開している。

では、さっそく
ナラティブについて
ざっくり心理学について触れながら
今からできる行動までお伝えしていきます。

Learn
”人は聴いて欲しい、共感して欲しい”
”人は自尊感情を満たしたい”


【ストーリーとナラティブの違いとは?】

 
ストーリーとナラティブはよく混同されるが似て非なるものである。
以下はその違いについて。

●ストーリー
 第三者視点で起承転結のもと、筋書きに沿って話される。
Point
・第三者(客観的)
・終わりがある
・筋書き通り

●ナラティブ
 語り手が主観的価値観で、終わりがなく変化し続ける物語を話す。
Point
・主観(主体的)
・終わりがない
・筋書きもない


【どんな時にナラティブになると良い?】

・不安について話したい
・課題を明確にしたい
・自分のこれまでを聴いてほしい
・自分のこれからを聴いてほしい
・自分を見つめ直したい
・自己理解を深めたい


【心理学のナラティブ・セラピー】

●特徴
・話し手と聞き手が存在する
・聞き手は問題解決やアドバイスを目的としない
・本人主体で進行

・話し手から問題を切り離す(外在化)
⇨一言で言うと「言い訳を取り出す」

「恥ずかしがり屋なのは遺伝のせい」
「仕事ができなかったのは怠け虫のせい」

・例外を見つける

「遺伝のせいの恥ずかしがり屋でも、恥ずかしがらずにできた体験はあったか?」
「怠け虫が出にくい状況ってどんな場面か」

・別の物語に書き換える
(オルタナティブストーリー)

「恥ずかしいのは遺伝ではなく、行動するタイミングだったかもしれない」
「仕事ができなかったのは、声をかけてくる周囲の環境にも問題があったのかもしれない」

●期待される効果

・ウェルビーイングの向上(※2)
・自己統制感の向上
・メンタルヘルスの安定と向上

(※2)ウェルビーイング:人間関係、プライベート、仕事などが満足・充実感に満たされた状態

Learn
”ナラティブの主体は話し手”
”自分の中の問題を外に出し例外を見つける”
”自分の人生の満足、充実感が向上”


【今からできるコト】


①話す機会を作る


 話してみたい、自分を確認したい時は、聴いてくれる友人に頼むのもOK。
ただし、中々満足に語れないこともあるため、私たちカウンセラーに「聴いてほしい」と声をかけることで、ゆっくりと話せる時間と質も確保できます。

②人生の履歴書を紙に書いてみる


 これ私自身結構やりますw
っというのが、私自身が誰かに話す機会が少なかったので、自分で自分を語っていました。
紙に書いている時は「主観的」になり、書き終えた時には「客観的」に振り返れるのでおすすめです。

●書き方のPoint

・過去:好きだったこと、苦手だったこと、感動したこと、印象的だったこと
・現在:好きなこと、苦手なこと、最近感動したこと、印象的だったこと
・未来:やりたいこと、やりたくないこと

●注意事項
・この項目に沿って行わなくてもいい
・綺麗に書こうとしなくていい

③セルフトークできっかけを見つける


 いきなり自分の物語を紡ぐのは、やはり難しい。
そこできっかけ作りは大切。
方法としては
「自問自答:セルフトーク」

●自問自答:セルフトークのPoint
・「今何考えてる?」
⇨「何も考えていない」
⇨「何で今自分に何を考えているか質問したの?」
⇨「何となく」
⇨「何となく質問したのは何がきっかけだったの?」
⇨「セルフトークが自分の物語を紡ぐきっかけ作りになるらしいから」
⇨「何できっかけが欲しいの?」

⚠️全体的な注意⚠️

●自分にラベリングしない
×自分なんて。だから〇〇なんだ
○そんなこともあった。それも含めて今の自分

●気持ちが不安定な時は無理に行わない
 不安定な時こそどうにかしたい気持ちに焦りは生まれやすい。
自己判断に悩むときは、是非ご相談ください。

【まとめ】


・ナラティブ=終わりのない物語を自分で語ること=生き様
・話し手中心の語りで自己理解を深める
・ナラティブセラピーでは不安や課題明確化には外在化、例外、オルタナティブストーリーで進行する

 私は、療法という見方だけではなく、話せる機会を作り、自分を振り返られる時間をこれからも積極的に作っていこうと思う。

Learn
”ナラティブな語りは唯一無二の終わらない宝物”


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?