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性をポジティブに伝える活動のこと -八三財団生採択されました-

はじめまして、成美です。

このたび、神奈川県西エリアのスタートアップ支援をしている「八三財団」の2期目財団生として採択されました。

本職の傍らで動いていたプロジェクトui(うい)を後押ししていただけることは大変心強く、さぁこれからどんどんやってやるぞ🔥の気持ちでいっぱいです。

さて、このnoteアカウントは私の日々の記録として、小説なりエッセーなり日記なりを書き連ねているものなので、まずは私自身についてのこと、私がいまやっていること、これから目指しているもののこと、ちょっと綴っていこうかなと思います。

記者であり、編集者である

私はジャーナリズム系の大学を卒業し、新型コロナ禍で新聞記者になりました。
時代の分岐点になるような事件事故や政治などを追いかけて記事にすることに魅力を感じ、高校生から目指していた職業です。

記録をしていくこと、読者へわかりやすく伝えること、権利を監視して民主主義を維持させることなど、ジャーナリズムの役目はたくさんあり、私も記者として日々精進しているところです。
ただ記者の仕事は、生きづらい思いを抱えている人々や課題を抱えている物事を知り、記事で取り上げるところまではできますが、解決の根幹に携わることができない。どこか「伝えておしまい、あとは支援団体任せで」みたいなもどかしさがあります。

もともと学生時代から、若者の悩みや性教育を発信する大学生発フリーペーパー団体(shells)を立ち上げるなど、紙媒体を使った発信活動に力を注いでいました。

きっかけは「男性カップルが里親に認定された」記事を読んだことです。…あれ、日本ではまだそれすらも実現できていなかったんだ、と驚きました。ちょうどその前の週くらいに見ていた有名なアメリカ映画の「チョコレートドーナツ」(2012)も、まさに同性カップルが里親になれるかという主題の映画で、「なんてひどい話よ」と思っていたところでした。呑気で恥ずかしながら、日本の現状を知りませんでした。

記事を読み進めるにつれて、LGBTQ+コミュニティや当事者が抱える悩み、制度欠陥の現状を知りました。日本では、同性婚などの法的制度も、行政や非当事者らの理解も追いついていない。
もっと学ぼうと、大学内のジェンダー論や外部講演を聞きまくっているときに気がつきました。
「というかそもそも、人との関わり方やジェンダー・セクシュアリティ、体について学ぶための性教育がきちんと機能していない。学校で保健体育を習っていたはずなのに、肝心なことは誰も教えてくれていない…!!」

よくよく身近な友人らの話を聞いてみると、「彼氏がコンドームつけてくれなくてさ」「妊娠検査薬ってどう使うの?」「性感染症っぽいかも」「異性と付き合うのってちょっと嫌かも」とちいさな悩みをこぼしています。
…いや、性教育で教えておいてくれよ!
いまなら言えますが、学生当時は知らないこと、自分たちで調べることが"当たり前"になってしまっていました。

きっかけの記事で知ったのは自分と違う属性(ゲイコミュニティ)の生きづらさの話だと思っていたのに、途端に自分ごとになりました。もう少しあとになって、私自身もバイセクシャルと自認することになります。

それらの経験から、学生向けのフリーペーパーを発足し、みんなで性教育のこと考えていこーぜ!と活動をしていました。編集者としての原点です。

いまは、自らを記者・編集者と名乗ることにして、本職と両軸で制作活動を続けています。

uiについて

2020〜21年で記者としての仕事にも慣れてきたものの、新型コロナ禍で人との関わりが全くなく、もどかしい思いを抱いていました。
制作をもうちょい頑張ろうか、でも何をしたらいいんだろう、今の私に何ができるんだろう。

趣味で、紙の雑誌を作りたいと思っている社会人ライターやデザイナーがあつまる雑誌制作チームで活動するなかで、コンドームについてのZINEを作っていたグラフィックデザイナーとの出会いがありました。

私も学生時に同じような性関連のフリーペーパーを作っていたのですぐに意気投合し、いっちょやるか!と勢いで、今年4月に、一緒にZINEをつくるためのプロジェクトを立ち上げました。

うい〜もっとはなす、もっとふれる〜

目的は、ある程度パートナーシップなり経験を重ねた20-30代が知りたい「性」情報をまとめて、パートナー関係を良くするためのきっかけづくりをすること。明るく伝えること。私たちなりに3本軸を持たせて設定しました。

①ポジティブに伝えること
②0→1の発見をつくること
③コミュニケーションをとること

プロジェクトをuiと名づけたのにも理由があります。
初心を思い出す「初」という意味を込めていること。あいう、のような読みやすい語感で親しみやすさをアピールし、フランス語でyesの意味も持つこと。

現在のロゴは、その最初の共同発起人がつくってくれました。いまは諸事情から、私一人でプロジェクトを請け負い、活動を続けています。

【概要】
学校教育現場での性教育が不十分だった20-30代が知りたい「性」にまつわる情報や意見などをまとめ、親しい人たち同士で、性をポジティブに楽しく話すきっかけをつくるプロジェクト。ZINE制作をはじめ、イベントなどを企画していく

uiでは主に、ZINE制作とイベント企画で、目標を達成していこうと取り組んでいます。

uiから目指したいこと

私はこのプロジェクトを通じて、
タブー視されがちな性の話題について気軽に話せる環境や、信頼できる人へ相談できるきっかけをつくりたいと思っています。その結果、性被害や性的搾取、差別などがない社会にしたい。

私自身、パートナーシップや性経験で傷ついたことがありました。生理が来ないのにどうしていいかわからなかったり、望んでいない性行為を強要されたり。センシティブな内容だけに、やっぱり人に相談しづらかった。

いま、目の前で性について苦しい思いをしている友達やパートナーなどがいたとして、「恥ずかしいから」や「誰にも言えなかったから」で思いを飲み込み、傷つき続けているのだとしたら、私はきっと耐えられない。
ぜったいに言ってね!ということともまた違いますが、困った時に困ったと言える環境づくりをすること、コミュニケーションをとることが、性の専門家ではない私にできることだと思っています。

まぁある種、利己的だとも思いますが、記者としても一貫して目標にしていることです。ライフワークと言えるのかもしれません。

今後の動き

今年11月に、念願のZINE1号目「たのしいセックスを知りたい」を発行予定です。
テーマによっては年に数冊作っていく予定ですが、多くの方に手に取っていただきたいので、紙媒体発行がメインになりすぎないようInstagram投稿やウェブ媒体と併用して実施していく予定です。

また、小田原のゲストハウスティピーレコーズイン拠点で活動する複合チームプロジェクト「性なるリビング」では、県西地域周辺の20代〜30代男女をメインターゲットに、ゆるいエロについて話す場を提供しています。
いまも月に一回、満月の日に合わせてインスタライブやリアルイベントを開催しています。

今年7月ごろからは、みなとみらいのシーシャanchor knotで来店客と対話型のイベントを実施しています。
カップルや友人同士など2人組を想定し、市販のセックストークカードなどを使用して「自分を知る・認める」「相手を知る・相手との関係をより良くする」を目的に、遊びながら性についての話をしているところです。

今後はその2拠点でイベントを実施しながら、つくったZINEを11/12 に吉祥寺で行われるZINEフェスティバルに出展する予定です。

これからもガンガン動いていこうと思っていますので、今後も成美を、uiの活動を、応援していただけたら幸いです。
近々、リアルイベントでお会いしましょう!

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